第5話 天使のご加護を ☆☆☆

 仕事帰りのエレベーター。

 開閉ボタンの真ん前に立って、スマホに夢中な若者。

 イヤな予感を抱えて1階まで降りる。

 きっと、人のことなどお構いなく、我先に降りるのだろうな、この人も。

 なんて思っていたら。

 1階に着くなりサッと開ボタンを押し、ニコッと笑って。


「どうぞ」


 ニコッと笑って、「どうぞ」!!


 なにこの不意打ちキュン!

 5割増に素敵です!!


 あの若者にどうか、天使のご加護を。

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