ふほつ
二革 圭(ふたかわ けい)
ふほつ
石壁蹴たぐるたぐった布で隠した摩擦で生じた一瞬の光に驚き顔を一枚二枚と表情を破って捨てて地に落つ仮面が一人でにケタケタ笑うものの、それは過去の亡霊であり気に止める必要もないのだが、背にかるる篭(かご)に拾い集めた仮面を乱雑いや、ゆっくり丁寧に重ね入れて再度石壁に見る目吸え付けたら壁は塵(ちり)のようにもろく崩れさった。
力押しても反発招き狂った顔で見上げた太陽が何食わぬと一紋くげた焦げ臭きに陰(かげ)が煤けて醜さまた一皮剥けて、熱き太陽に飲まれる時に初めて陰の大切さが身に染みて帰らぬ身となり金色の白に磔(はりつけ)にされ身動きがとれずしてあの懐かしき手の平のぬくもり来たる苦しさを胸に抱いていくえに重ねた月日の分だけ物乞(ご)うのであった。
心ここにあらず。心雲行(ゆ)き芥子(けし)実気付くと名ばかり真珠。海の片に留まる貝の腹の中には、まだ見ぬとも触れらるとも舞うオーロラと同じくして揺らめき誕生のいずれの岡に。
ふほつ 二革 圭(ふたかわ けい) @urmatorakichi55
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