随筆・「配所の月」

夢美瑠瑠

第1話


 今朝、起き抜けに、散歩に出て、例によって精神安定しないので、「朝のパラフレーズ表現は…払暁?昧爽?早暁?未明?黎明?朝まだき?朝ぼらけ?冬はつとめて?春はあけぼの?」とか、ナンセンスなことを考えていて、「まだ今朝は幻聴マシやなあ」と、神仏に感謝するような微妙な気分でいた。


 で、ふと空を見ると、もう空は灰青色で、暗色は雲散霧消していて、清澄な空気の中に、月天心とかいいますが、そんな中空に出ている月が、ひどく明るく、美しく見えた。


 「月が綺麗」と、思ったのも久しぶりで、こういうなんというか”光輝を帯びている”というような明るい月は初めて見たような気すらした。


 いわゆる”スーパームーン”の特異日やったんやろか?これは調べてみんと不明。


 「月が綺麗」といえば、「I love you」という英語の小説のセリフを、夏目漱石が「月が綺麗ですね」と、意訳したというのは有名ですか?


 中秋の名月、ともいうし、秋は空気が澄んでいて、だいたい天体が綺麗に見えるのか?星月夜、は夏季語ですが、「月」だけだとたぶん秋季語。


「雪月花」というように風流な風物詩の代名詞にもなっていて、月を風詠した詩歌も多いだろうし、だいたいが月が綺麗でないはずはない…


 その月を、今までに殊更「綺麗」と思ったことがなかったような気がした…それほどに美しい月に見えた。山下美月、山本美月、という似た名前の女優さんがいますが?見せてあげたかったw


 俗に「配所の月」といって、これは刑務所のことやが、刑務所で見てもやっぱり月は月…いやかえって恋しく、美しく見えるかも。


 刑務所ではないけど、精神病院にいて観る「流刑地の月」という感じやったな草

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