第5話 古物商

~道端~


佐藤「富沢さんの自転車、やっぱカッコいいですね」


富沢「せやろ。フラッグシップ機はええで。速いのはもちろん、乗り心地もええ」


姫路「ピカピカで素敵だよね。川岸さんの錆ついた中古と大違い」


川岸「おい待て。誰かを褒めるときに俺をディスるのやめろ」


佐藤「そうですよ。川岸さんのクロモリだって、スクラップ置き場から拾ってきたにしては綺麗じゃないですか」


川岸「ちゃんと買ったんだよ。ジャンクショップで」


姫路「ジャンク……ショップ?」


川岸「別にいいだろジャンクショップ。最近じゃヘルメットだってウェアだって、補給食だって揃うんだぜ」


富沢「補給食までジャンクショップで買って来るんか?」


佐藤「っていうか売ってるんですか? 誰の食いかけですか?」


姫路「アタシの食べかけも、売れるのかな」


川岸「いや、いくらジャンクショップでも、食品は新しいの仕入れてるんだぞ」


姫路「ああ、じゃあアタシの食べかけは売れないか」


川岸「需要はありそうだけどね。別な意味で」

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