第21話 ギャンブラー
“6”
サイコロが止まった瞬間、周囲に強烈なエネルギーが発生した。空気が震え、キーマスターの冷たい表情が一瞬だけ驚きに変わった。
「6か……これで運命は決まったな」
加賀は満足げに笑い、力を開放する。サイコロの「6」の目は、敵全員に強力な攻撃を加える力を持っている。次の瞬間、巨大なエネルギーがキーマスターに向かって解き放たれた。
「ぐあああっ!」
キーマスターは、加賀の運命の一撃をまともに受け、バリアのように張り巡らされていたキーボードの守りが崩れ落ちた。
「今だ、行け!」
加賀が叫び、俺たちはすぐに反撃に出た。加賀の力で封じられていた体が解放され、全員が同時に動き出す。
俺は左腕に「正義」の力を再び集め、キーマスターに向かって突進した。彼のキーボード操作は完全に乱れており、今なら俺たちの攻撃が通用する。
「これで終わりだ……!」
俺の拳がキーマスターの腹に食い込み、衝撃波が彼を吹き飛ばした。すかさず仙台が彼の背後に3秒で回り込み、強烈な蹴りを加える。
「お前の支配はここまでだ!」
桐生も目を再度強化し、キーマスターの次の動きを完全に見通していた。彼女の指示通りに動いた俺たちは、キーマスターの隙を見逃さず、連携攻撃を繰り出した。
「ぐ……くそ……!」
キーマスターは次第に追い詰められ、キーボードを操る力も失われていった。彼の姿は、もはやかつての圧倒的な強者の風格を失っている。
「運命ってのはな……コントロールできるもんじゃねぇんだよ」
加賀が最後に呟き、もう一度サイコロを転がした。そのサイコロは今度も「6」を示し、強烈な光がキーマスターを包み込んだ。
「うわああああ!」
光の中で、キーマスターは最後の叫び声をあげ、ついにその場に倒れ込んだ。
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