捧グ者~平凡な少年は邪神と契約し、身体、精神あらゆるものを削り、苦難を乗り越える~~
アルパカすめし
第1章
第1話
「魔王!勇者としてお前の好きにはさせない!」
時々夢を見る。勇者として沢山の魔物を物ともせずに切り捨て、多くの人から慕われている姿。夢を見ながら夢の中の自分が今の自分とは似ても似つかない事に自嘲する。そして気付く、それは自分ではなく、親友である彼だという事に。その隣に自分は居ないことに。
「俺、アイツに夢の中でも負けてんじゃねえか」ビギナ村に住む15歳の黒髪黒目の少年、アシュランは、夢の中でさえ親友に負けている事に軽く絶望する。
「アシュラ~ン?起きないと訓練に遅れるわよ~?」リビングから母、ミランの声が聞こえ、アシュランは完全に目覚め、寝坊したことに気付いた。
「やべっ!?寝すぎた!今行く!」
「カイル君も待ってくれてるから急ぎなさいよ~!」
「分かってるよ!」
アシュランは先程見た夢のせいでいつもより険しくなった顔を洗い、身支度を整える。
「どうしたの?唯でさえ目付き悪いのにこれ以上悪くしたらチビッ子に泣かれるわよ?でも私はお父さんに似たその目、大好きよ!」
「別に何でもねえから。後、直ぐ惚気んの止めてくれ」
「え~だって好きなんだもん!」「あ~もういいって!俺行くから!」「あら、いってらっしゃい!気を付けてね~!」
外へ出ると家の前に金髪碧眼の少年がアシュランを待っていた。
「おはよう。相変わらずアシュランの家は楽しそうだね。」
「楽しくなんかねえよ。あんなのうるさくて面倒ったらありゃしないぜ」
「良いじゃないか。うるさいぐらい元気がある方がね」
「わ、悪い。そういうつもりで言った訳じゃねえから!」カイルの両親が幼い頃に魔物に殺され、天涯孤独の身である事を思い出し、慌ててそんなつもりはないと否定した。
「分かってるよ。君が悪いのは目付きだけだってさ。それに大丈夫。両親の事は君のおかげでもう乗り越えたから」
「何だよそれ?ん?今何て言った?」
「気にしなくていいよ。ほら、もう行かないと授業に遅れるよ!」カイルはそう言ってアシュランを置いて走り出す。
「おい!どういうことだよ!?ちょ待てよ!」
アシュランの親友である彼の名前はカイル。アシュランの幼馴染みで、顔が整っており、文武両道、そして性格も良いと三拍子揃った、幼い頃から一緒に育ったアシュランにとって、手を伸ばしても届かず、ただ眺める事しか出来ない、太陽のような存在である。
数ある作品の中からこの作品を見つけて下さりありがとうございます。今までこの様に小説を書いた経験が無く、見苦しい点が多々あると思いますが、是非、お付き合い頂けると幸いです。ご感想、お待ちしております。
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