第15話

倒れ込む音に気づいたようで、翔さんが駆け寄って来た。



「瀬南ちゃん!?どうしたの!」


『っ…はぁ、はぁ…何でもないです。


ただ、久しぶりに…運動したくなっちゃった、だけです』



明らかにそうではないことは翔さんも気付いているはず。



「瀬南ちゃん……顔色、すごく悪いよ?


とにかく、一旦休もう」


そう言った翔さんは、倒れ込んでいる私を抱き上げた。


俗に言う、お姫様抱っこ というやつ。


『大丈夫ですから…っ、下ろしてください!』


「ダメ。そんな顔色で強がっても下ろさない。」


恥ずかしさと強がりから発したその言葉も全て、


翔さんには見抜かれていて。


翔さんは、私を優しくベッドの上に下ろしてくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る