第97話

『あ、の……ほんとに、お父さんに会えるんですよね…??』


恐る恐るそう呟きに近い声を発すると、


「もちろん〜」


その一言だけが帰ってきた。


程なくして、車は大きな門をくぐり停車した。


その人はドアを開け、車から降りて私に手招きしていた。


私が駆け寄ると、その人は手を繋いで大きなお屋敷の中へと進んでいく。



長い廊下で茶髪の男の人とすれ違った。すれ違い様に金髪の人がその人に何かを耳打ちして、その直後に目を見開いたその人は私を凝視してきた。


金髪のその人は、ずっと楽しそうだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る