第65話

私が薬を隠している場所はベットの下。ほんの少しあるスペースに隠している。



だが、クローゼットや下着の入っている引き出しまで全てを入念に調べ、どんどん探し終えるそいつはついにベットへと手を掛け、毛布やシーツを全て床へと落とした。



そこは、お願い、見つからないで・・・

そんな私の願いも虚しく、そいつがベットの下へ手を伸ばした時だった。
























突然、ノックが鳴った。


「あぁ?誰だ・・・」


すでに鬼の形相をし、人を殺してしまいそうなオーラを出しているそいつは部屋の外へと出て行き少しの間、話をしてから戻ってきた。



「急用ができた。お前への罰はまた今度にする、残念だな?」


そう言い、ほくそ笑んで部屋から出て行った。



安心した私は涙が込み上げてきてその場に蹲(うずくま)った。





あいつが部屋を出ていく時に私を一瞥したあと



「涼・・・あいつ、絶対ぶっ殺す・・・」


そう呟いたことなど知りもせず。

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