第2話 

「起き上がれ」

ただ自分を鼓舞することで自分を支えるしかないんだ。

動きたくない。動かしたくない。本当にクソだ。

関節が「動きたくない」といっているような感覚でギシギシと

動き始めた。痛いし、

ベットの軋む音と共に関節が動き、体を起こし、冷えた床に乾いた足の裏をつけて

カサカサになった踵と親指の付け根が床を擦って歩き始めた。

口の中が気持ち悪い。ネチョネチョしてる。顔も洗わないと、

ガサガサになった皮膚と妙にテカっているおでこが汚い。

洗面所までイヤイヤ足を引き摺りながら向かう。

見たくもない自分の顔を見て蛇口に手を伸ばし捻ると冷たい水が出た。

「冷ッッ!」

お湯が出てくれない。ああああああ

ため息とあくびが混ざった汚い声。

やっとお湯が出て顔を洗う。

いつも使っている水分をしっかり取れるのかもわからないタオルで顔を拭いた。

前を見て鏡を見て、ふと 目を擦った。

「なんだ?」

声に出てしまった。前を見ると知らない壁が目の前にあった。

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