俺は変態度だったら誰にも負けません。 

P48ですが何か?

第1話 変態ですが,人選ミスなのではないでしょうか。

 目が覚めると、そこは見知らぬ森の中だった。木々は空を覆い隠すほどに巨大で、葉は青とも緑ともつかない不思議な色をしている。風が頬を撫で、どこからか鳥のさえずりが聞こえてくるが、それはこの世界のものではない、異質な響きだった。

「おい…?ここ、どこだ?」

 俺,斉藤一樹さいとういちじゅは、自分の手を見下ろし、そして周囲を見た。見慣れた通学路やスマートフォンの画面はどこにもない。

「最悪だ。小島先生の作品(エロ漫画)が見れねぇじゃねえか!!」

 俺のチ〇コの代わりに手に握られているのは、なぜか古びた剣。衣服も、いつもの制服ではなく、布きれだ。俺はまだ若く,元気なはずなのに剣というのが気に障る。混乱と恐怖(これからエロ漫画が見れなくなってしまうのではないかという恐怖)が一気に押し寄せる。つい数分前まで、家で奮闘していたはずだ。それが、どうしてこんな場所に?

「ピンポーン。」

 唐突に、頭の中で電子音が鳴り響いた。それはまるで、RPGのステータスウィンドウが開くような音だった。驚きとともに目の前に表示されたのは、図形と変な斜め線だった。

【△//🔳/////】

「……?」

 信じられないような内容が続く中、目の前に突然一人の少女が現れた。金髪に青い瞳、白いローブをまとったその姿は、まるで神話から飛び出してきたかのような美しさだった。

「お待ちしておりました、勇者様。」

 少女は深く頭を下げると、静かに言った。その言葉に、俺はただ茫然と立ち尽くすしかなかった。

「タイプじゃない。異世界召喚物では美人ながつきものだろ。なんで,少女なんだよーー。」

 森中に俺の声が響き渡った。

「気を取り直して,ここは、一体……」

 俺はその少女に話を聞こうとした瞬間,金色のどんぐりを渡された。本当はお姉さんがくれた物以外口にしないけど少女の圧が怖かったので食べることにした。

「おぉ,翻訳スキルが付いたのか。」

 少女が俺をにらむ。まるで俺を貫くかのように、鋭く細められた目。その瞳は真っ黒の闇そのもののようで、感情を読み取ることができない。いや,多分俺をゴミ以下だと思っているだろう。俺はなんとなく感じた。なんだこれは?もう一度ステータスウィンドウを見た。まるでゲームのキャラクター選択画面のように、俺の名前、年齢、そして職業があった。

【斉藤一樹(17)】

【職業:勇者】

【レベル:1】

「勇者って……俺は」













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