クィアな僕らはカラーフィルムを忘れた【カラーフィルムを忘れたのね 書いてみました】

Choco_Roll#17

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 何もかもが辛い。誰も信じてくれないかもしれないからだ。




 音楽を聴きながら歩こう、なるべく銀塩写真のようなロックを。

 永遠に暮れそうもない昼の下を死なずに通り過ぎるために。




        ⁂




「私たちが結びうる愛はすべて有限なものだ」

 この言葉をひとつの慰めとして受けとるために、今この物語を書こうと思う。

 それは悲しく寂しいあきらめでもあるが、少なくとも、あの頃の彼や彼女との関係を肯定する試みにはなり得る。あれで万事うまくいったのだ、結局はああなる他なかったのだ。Let all things pass away. 私たちの絆はもとよりひどくほどけやすい、と。

 それが現在の私たちに可能な最大限の自己療養だろうから。

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