第114話

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「…ココ、風邪引くぞ?起きろ。」






ふ…、と意識が浮上する感覚がして、それと同時にすぐ近くからお兄ちゃんの声が聞こえた。






『ん…、お兄ちゃん?』





「起きたか。」






ゆっくり目を開けて起き上がれば、目の前にお兄ちゃんがいて私を見下ろしていた。






『今…、何時?』






まだ覚醒しきってない頭でそう聞けば、






「今は19時だ。」





『え…、』






そう返ってきて、思わず固まった。






19時…?家に帰ってきたのは11時ぐらいだったのに…。どうやら私は、約8時間もの間眠ってしまっていたらしい。






確かに、ずっと同じ体勢だったのか身体の至る所が痛い気がする。…道理で、やたら長い夢だと思った。







病院の屋上で出会った不思議な男の子、”リツくん”。夢を見て思い出すまで、ずっと忘れてしまっていたけれど。






…今、どこにいるんだろう。






「ココ、どうした?ぼーっとして。まだ眠ぃのか?」






ぼーっとリツくんのことを考えていれば、お兄ちゃんが心配そうな顔で覗き込んできた。

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