第65話
こんな所で、しかもこの人の前で発作なんて…っ。
抑えろ抑えろ抑えろ…!
必死に頭を働かせて、どうにか震えと息苦しさを止めようとする。
なのに。
「おい!」
牧谷さんが、私の肩に触れようとするのが視界の端に映った。
やめ…て…、私に触ら…ないで…っ…。
心の中でそう呟いた瞬間、牧谷さんの手が、私の肩に触れた。
その触られた感触が、嫌でもあの時の”記憶”を思い出させる。
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