第30話
そんな事を考えている間に、男の子達はもう近くまで来ていた。
…大丈夫。なるべく気配を消してすれ違えば、何も起こらない。
そう自分に言い聞かせながら必死に気配を消す。
そしたら、男の子達は会話に夢中になっていて私の事には一切気付かず、何とか無事にすれ違う事が出来た。
…でも、その男の子達の会話が耳に入ってきた瞬間、その内容に、ピタッと足が止まってしまった。
「なぁ、今日の朝の”アレ”、どういうつもりなんだろうな?”牧谷さん”があんな事言うなんて。」
「だよな?”あの”牧谷さんが1人の女を探せなんて、信じられねぇよ。」
「しかも、同じ学校だけど、学年も特徴もフルネームも分からねぇ。分かるのは、”ココ”って名前だけなんて、んなの見つかる訳ねぇじゃん?」
「でもまぁ、牧谷さんの命令だったら探さねぇ訳にもいかねぇしな。」
「だよなー。とりあえず探せるだけ探してみっか。」
男の子達のそんな会話に、目の前が真っ暗になる感覚がした。
…何で。
”マキヤさん”
”1人の女を探せ”
”同じ学校”
”ココ”
それは、”私”…?
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