第6話 再びイタズラ

 眠い。

 朝七時、わたしは学校に着いたのである!

 朝練をしてる生徒がちらほらいるな。

 別室の鍵をもらって入る。

 うわっ、思ってたより大きいかも…、ホワイトボード。

 先輩たちが描いた変な絵たちを一気に消して、ペンを握る。青。

 大きく、大きく。できるだけ滑らかに。はあ、しんどい。椅子に立って背伸びをする。もう少し太いペンがあればいいのに。


 完成。

 えっ、割といいかも。

 先生が上がってくるまで五分。きっと今頃、鍵がないって思って戸惑ってんだろうなぁ。すみません。

 めっちゃいい。自信作。

 ホワイトボードに青ペンのみで描いたデッサン。花瓶に刺さっている花たちをアップで描いたんだ。イメージつきにくい人もいると思う。まぁでも、写真みたいに描けた。青い花の写真見たいな感じで思っておいてほしい。


「えっ、わっ、すご!!」

 おーいいリアクション。さすが先生。

 これ全部一人で描いたの? 一時間で? 

 そうだってば。誰も手伝ってくれねーよ、こんなイタズラ。

「へぇ〜」って、なんかリアクション種類ないね、先生。

 写真みたいって? そうでしょ。中々リアルに描けたと思ってる。ガハハハ、描いた甲斐があったぜ。

 え? これイタズラっていうか困らないよって?

 何言ってんだよ!! 先生!! 

「これじゃ授業できないでしょ?」

 確かにーって、ほんと面白い…。

 まぁ、誰も当分消せやしないな。

 てことで、バイバイ先生。

「ありがとー!」

 ありがとうて。まぁ、どういたしまして。


     ーーーーー


 未だに消されてない。

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