第3話 初イタズラ
うわあああっ!
いやー、先生がそんなに驚くとはこっちもびっくりです。
二階の廊下を規則正しく埋め尽くす、紙コップキャンドル。何をしてんだか、本当。
でもさ、どうよ、先生。
「すごいね、これっ、一人でやったの?」
勿論ですとも。誰も手伝ってくれやしません。
「へぇ〜」
先生が腕を組んで変な声を出した。
はぁ、それで、今日はもう帰ってもいいですか。
え? ちょっと勉強もしていかないか、だって?
いやだね、そんなの。論外だわ。先生はわたしについて知らなすぎるんじゃない? 少しは下調べもしたらどうよ、わたしについてさぁ。
でも(名前)さん、勉強は得意だって聞いたんだけど。IQは160超えなんでしょう?
はぁー、先生は本当に。IQがどうとか関係ないのよ。てか、わたしは2Eだしね。
「今は勉強の気分じゃない?」
ううん、そうじゃない。わたしさ、字が書けないの! こんなこといちいち言わせるのもやめてよ。数学ならできるけどね。
あ、そっかそうだったね。
そうだよ、覚えとけよ!
「数学はできるんだね。じゃあ先生と一緒に今度数学やろうよ!」
ふん、やだね。
そんな単純な数学じゃ満足しないんだわ。
未解決問題とか、そういうの。もしくは、正論ゲームとか。
「そうなんだ、すごい。(名前)さん賢いもんねー!」
はぁ、そういうのわたし好きじゃないんだ。
一種の侮辱みたいに聞こえる。やめて。
まぁ今日は帰るよ、バイバイ先生。
「さよなら、また明日」
明日は二十時間寝る日なの。邪魔しないでもらえたら助かる。
ーーーーー
わたし字が書けないんですわ。タイピングはできるんだけど、書くのが無理。
もう一つ情けない情報で言うと、右左の見分けもつきにくいんです。
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