第21話
「さてと、そろそろ理解してきた頃なんじゃないかな?」
殺生院がその血と炎にまみれた掌でシュカのシュカの方を指を指す。じくじくという表現が尤もらしい、通常の人間であれば耐えられないようなその痛みを感じないようなゆったりとした動き。茶道の茶菓子をいただく時、懐紙を開く時のような落ち着いた美しさですらある。
「我が天使のサポートを以てしても、今だ僕に一撃たりとも入れられない。そんな魔術で僕たちの門出を邪魔しようとするものだねぇ。」
殺生院は落ち着いた言葉を、その穏やかな口調で紡ぐ。本音半分、煽り半分の割合であった。しかし、その心はイライラがと乗りつつある。その原因は彼女、来栖シュカの魔術のちぐはぐさの違和感にあった。
彼女の魔術に対する警戒を、先の殺生院の電子による拘束を解いたことから、彼はレベルを上げている。単なるペン先で行えること、ペンから連素できる延長線上に存在しえない不思議な能力に、彼の頭では理解が追いつかない。
(だから一度、戦意の喪失という面で揺さぶりをかけているんだが...なかなか効果的には見えないな。)
魂から削り出したアニマというものは流動的であるがゆえに、常に一定の運動量を持てるわけではない。ありていに言えば、主にメンタルから影響を多分に受ける、「モチベーション」「やる気」という言葉が適当である。
人間が目標を設定し行動する際、それの土台となるものがモチベーションという概念だ。朝ベッドから起きる時、仕事や勉学に励むとき、創作意欲を爆発させるとき。それらにはすべてモチベーションが関わってくる。
ゆえに、心を折るという言葉は、それら目標に対するすべての行動を中断させる危険な代物である。アニマの運動量の可動域を狭めるのだ。やる気を削ぐ諦観、余計な一言、圧倒的な実力差の顕示などの行為は、魔術の中断を誘発させる。これは敵も味方も同様である。
殺生院は自身の魔術を手にしたとき、これまでの不変と諦めの生活の中から、無意識にそのことを理解している。しかし、今はそれの逆。自分が魔術の発動していなかった時期、色がなかった空白のキャンバスに絵具をぶち当てたときの爽快感が、彼のモチベーションを増加させている。洗練された魔術特有のアニマの漏れでさえ、彼に認識できないものでサポートされているとはいえ、量自体は爆発的だ。
来栖シュカとて、未来都市に入場できるかどうかの瀬戸際という点では、モチベーションはある。しかし、反転、殺生院のように自律的なものではなく、他人から与えられたもの。与えられたニンジンをただ待つだけでは限界がある。
そんな来栖シュカの背景を知らない殺生院は、自らの能力と彼女の能力、そしてアニマを比較していた。その結果として先の感想であるのだ。
(魔術的出力、アニマの総量...どちらを取っても僕の方が上だ。それはこの結果が証明している。我が天使による爆発の被弾は数あれど、彼女から請け負った傷は少ない。どちらかと言えば彼女はサポートよりの能力なのかもしれないな。拘束を解いたもの魔術とペンとの関連性は見えないが...)
ゆっくりと歩きながら、来栖シュカを逡巡する。彼女は殺生院の電撃によって被弾した場所はあれど、その目は未だに飢えた獣のそれである。
魔術的な才能を見抜くような審美眼などないに等しい彼ではあるが、未来都市に長く在籍しただけあり、魔術の基礎は理解している。そのため、自分が他の人間に魅せられ、諦めたときのような冷めた感情が、少しくらい彼女の中にも芽生えてもよいはずではないか。そのような疑念が心の奥から離れない。
自分と似たような立場にあるというのに、なぞってきた軌跡があまりに違う彼女。その瞳の奥は、おそらく自分を見ていない。どこを見ているのかまでは想像することなぞ皆目見当つかないだろう。しかし、だからこそ心のイラつきが消えないのだ。
わからない、理解できないという現象は、魔術的には想像できていないバグと同義である。それを魔法と呼ぶが、それを殺生院は存じない。魔術と魔法の違いは一般的に知られていない、ニッチな部分であるがゆえに。
そんな現象を自分の通じて進化する彼女。そんな前傾姿勢が気に食わないのだ。
バリバリと周りの空気を巻き込みながら、電子があちらこちらに放電する。殺気立つという言と刺々しいという言は類義ではあるが、この場においては殺生院の魔術によって同義となりつつある。
「一撃足り得る攻撃は先ほどのものだけ。後は全て決定打にはなり得ない。我が天使のアニマの効率がいいと言っても限界があるんじゃないか?」
殺生院は右手を差し出しながら、その手の甲を下側にしながら宣誓する。反転、左手を胸の前に置くと高らかな笑みを浮かべる。
「反して、僕のアニマは未だに底を尽きない。これが意味するところは一つ。完勝だ。負ける道理が見当たらない。そうは思わないかい?我が天使も。」
星ヶ宮と来栖シュカを前に、高らかに勝利を宣言する。その自信過剰とも表せる根拠は、この結果が表している。殺生院と星ヶ宮のダメージ状況だ。
見れば、星ヶ宮の服は一部引き裂かれており、豊かな胸部が零れそうになりつつある。そしてその白い肌を伝うは赤の運河。枝分かれしたそれは、まるで牛乳の中に注ぎ込んだ苺のシロップのように、白い肌の中を自由に彩っていく。
さらに彼女は、合計で8回ほどの魔術を発動させている。基本的に彼女の戦闘において、彼女のメンタルや体調にもよるが、連発することは少ない。その根幹は、彼女の魔術の枠組みにある。
星ヶ宮の魔術の枠組みである血を媒介にした魔術。その発動条件を満たすため、自身の絶対たる美をトリガーとして同性異性問わず一種の興奮状態に陥れる。つまり、血液自体の速度を急激に上げることによる副作用なのだ。結果として、古より伝わるコミックの伝統芸能のような、一種のお約束のような絵面が出来上がるわけだが。
常人であれば、その加速する血流に体が耐えられず体は自壊する。しかし、魔術を扱えるものは皆、多かれ少なかれ、体からアニマが漏出している。それが結果として、体の崩壊から守っているのだ。
彼女が血を媒介として爆発する魔術を使うのは、自身の真の効果を悟らせないためでもある。自身が先の殺生院と対面した際にも、煩わしさから思わず使用してしまったが、基本的には爆発という派手な隠れ蓑を纏っている。
(あの時は、彼ら程度になら私の魔術は見抜かれないと思っていたから自由にできてはいたけれど、今の殺生院相手に切り札はあまり使いたくはないわね。他の誰が見ているともわからないし...でも)
ちらりと横目で来栖シュカを伺えば、肩で息をする彼女が目に入る。殺生院や星ヶ宮よりも、魔術抗争に慣れていない彼女の方が重症になるのは同義である。
白い制服は殺生院の魔術で黒い焦げ跡を何か所も作り、スカートもはだけ気味。しかしそんな中においても、彼女は魔術を発動するための右手をかばうことを忘れない。星ヶ宮にも血という魔術の媒介があるように、来栖シュカはペンを以てして発動させている。
「先ほどまでの威勢はどうしたんだ?僕の魔術を解いた時、これからだっていう兆候を見せていたじゃないか。」
シュカはじっと殺生院を見つめる。能力消費によるアニマの消費、単純な体力の浪費とも合わさって、型での呼吸を優先せざるを得ない。
「でも君じゃあ僕たちの足元にも及ばないのもしょうがない。これが僕の、いや僕たちの愛だよ。魔術という愛。彼女を思うだけで湧いてくるこの力は、君には往々にして叶わないものさ。」
来栖シュカは心の中で彼の言葉を転がす。富んだ土地、その他の土地区別なく、現代に生きる人が失ってしまったものを。
(彼女はあの時、確かに自分を愛することが重要と言っていた。その部分だけがちょっとわからない。...愛するって言うのは、自分を信じることと同一の循環定義を持っている?)
自信とは、自分を信じるということを指す。なれば、愛とは何なのか。来栖シュカがそう考え逡巡したとき、彼女の脳裏に煌めくものがあった。
彼女の目の前には、魔術を使いこなす能力者が二人。そんな二人によって、二通りの解法が出ていることに。なぜならば、小川の辺りにいた彼女が解いていたのは魔術、魔法の本質であるなれば、二人の能力者に通じているのだから。
方や、隣で自分をサポートしていた星ヶ宮を見る。此度の戦闘において、様々なサポートをしている。爆発によって電撃を逸らしたり、殺生院にダメージを与えたり、さらには来栖シュカに魔術を使わせるための隙を作らせたりなど多岐にわたる。
そんな彼女を横目で覗き見れば、彼女動きや気概、その魔術から魂の根源にも近づけるような感覚に陥る。戦いの中で相手の空気と考えが流れ込んでくるように、感覚を共有していくような同化。そして伝わってくることがある。
彼女の根源。それは自己の美に対する愛。彼女は自分の美を信じ、愛している。それが彼女の愛である、と。
自分の美を愛しているがゆえに、魔術の輪郭を自身のそれに固定しているのだ。自分の美へのイメージが強ければ強いほど、確固たるイメージが魔術の輪郭を固める。
そう見れば、先ほど殺生院に対する魔術の威力が落ち着きつつあったのも理解ができる。それは自分の美に対する疑念であったのだ。
その観点は正しい。彼女の魔術が連発することがないのは、最初の爆発の一撃こそ最も強く、最も輪郭が確固としているのだ。メンタル、想像力の核心ともに最高潮の状態である。
つまり、彼女にとっての愛とは、自分の美を信じる自信と同義であったのだ。
反転、目の前に立つ殺生院を見る。ゆっくりと落ち着いた歩幅で近づいてくる彼を見る。彼の異常性愛、発言した内容、そしてそれらから付随した魔術。それらから彼の背景が覗き見ることが出来るようだ。
彼の使用した魔術は大きく分けて二つ。指で作った銃で電撃を飛ばすもの。そして電子の空気間のつながりを固定化する拘束術。これら魔術の根幹となるのは、おそらく星ヶ宮への偏愛であろう。そう来栖シュカは読み解いた。彼から伝わってくる熱は、彼女を固く信じるそれである、と。
彼の自信の根源。それは、星ヶ宮と比べてあまりにも歪でひねり曲がった偏愛である。彼女の横に立つ。絶対特権で以て信仰を貫く。そんな思いが彼の魔術に込められているのではないか。
そんな偏愛と言えども、愛は愛であることには変わらないのだろう。自分を生起させる信念。それがある限り、魔術は輪郭を持ち、広く繋がっていく。縮こまっていては変革がない。しかしてその背景にある自信を他者に押し付けてでも未来に伸ばす。其の憧れが背中を支える。凭れる何かがあるやつは強いというのが常なのだ。
しかし、そんな中でも彼女は一抹の違和感を感じる。彼の寄りかかる彼女と隔離した魔術。そしてアニマの漏出量。この不平等さがから、彼の姿が歪んで見えた。
(星ヶ宮さんを信仰するなら、魔術のイメージもそれに引きづられるようなものになるんじゃないの?...記憶の根底に、先の星ヶ宮さんとの出会いがあるなら、なおさら。そして、分不相応なアニマの量出量。...でも、彼からは星ヶ宮さんのような魔術の輪郭を感じない。まるで、何かがその部分を代替しているような...)
違和感をかぎ取る感覚。しかし、時間切れのホイッスルが空気を揺らす。
「天使の加速装置≪キューティーハニー≫」
「「シュカ!」」
殺生院の魔術が右手をかばって左手に直撃する。と同時に横と上から同時に彼女の名を叫ぶ声が響く。力なくだらんと左が下がる。
「お、直撃は初めてだな。身の程を弁えないと、痛い目を見るんだよ。受験でも魔術でも、そして愛でもね。」
「あいあい言って欲情して、猿の真似事ね。安心しなさい。あなたは立派に本物よ。」
「本当に減らず口だな。しかし、今の僕の前ではカンフル剤もいいところだ。我が天使のレベルなら感じるだろう。僕のアニマを。流れ出る力を。我が天使の横に立つため、その原動力の証明とでもいうかのように溢れる魂が、力が、愛が、この世界の本懐だ!」
星ヶ宮と殺生院の言が交差する中、来栖シュカはゆっくりとペンを握る。考えることは一つだけ。
愛、彼女にとっての愛とは。自分の中の定義。その明確なイメージ。微かに映る左手に目を動かせば、血が滴り落ちる。しかし、じくじくと伝う鈍い痛みでは、彼女の思考は揺れない。
(彼に関する違和感は兎も角として、私自身の自信、愛の根源を思い出さなければ、この魔術抗争の意味がなくなってしまう。ランカーである星ヶ宮さんや、身元引受人を買って出てくれた七海さん、心配してくれるシュカ。そして、誰より私自身に後悔させるような結果は到底受け入れられないの!)
シュカ自身は、自身に芽生えた能力を完全には使い果たしていない。星ヶ宮には絶対なる美が、殺生院にはそんな彼女に対する絶対なる信仰が。それぞれの魂の寄辺となって、凭れかかるものがある。
しかし、来栖シュカにはそれがない。今の彼女は与えられたものを、何とはなしにこうできたらいいな、ああできたらいいなとあやふやな中でお絵描きをしているにすぎないのだ。
世界というキャンバスの中に、能力での結果を現象として表す。そのような神様じみたことをしようとするならば、信仰にも似た絶対の自信が必要だ。神様という存在に、信仰という鍵が不可欠なように。自分を信じ、愛するということが。
そんな世界の背景をよそに、ペンを握る右手に力が籠る。ギュっと握られた掌の熱から、彼女は思い出す。右手で書き込んだ、ルーズリーフに綴られた、彼女の言葉を。
(そうだ、あれだ。あの言葉があったから...私は!)
その熱が、右手と脳細胞に新たな力を覚醒させる。過去との追体験で、体に熱が帯びる。
刹那、殺生院と星ヶ宮の目は彼女に奪われる。急激に変化する彼女のアニマ、その濁流のような渦の中、まさしく渦中の彼女の変化に目が離せない。
「なんだ、それは...」
殺生院は愕然とし、星ヶ宮も目を丸める。あやふやな子供のような能力に、彼ら自身の想像力が追いつかないのだ。現象として理解はしていても、そんなことがかの王なのかという現実に対する疑念。彼らのような想像力の豊かさを以てしても、現実として発現させるのが不可能と言わしめんとする曖昧さと自由。これが魔術と魔法の違いとでもいうかのように、悠々とシュカはあり得ざる現象を引き起こす。
来栖シュカはペンを優雅に自分の左腕に振るう。瞬間、そのペンでなぞった部分だけが、何事もなかったかのように焼け爛れる肌の色を修繕していく。
ぽわぽわっという温かみを感じる擬音が、光がその部分を包み、治していく。いや、直すという表現が正しいだろう。その効果は一面的なイメージに過ぎない。しかし、確実に痛みを引かせていき、静かに左手の感覚が戻ってくる。
「星ヶ宮さんも。」
そう言って来栖シュカはペンを、星ヶ宮に向けて振るう。先ほどまでは電撃を相殺するような魔術だと認識していた彼女は、その挙動に体を硬直させる。両の腕を来栖するような防御姿勢を以てして彼女の魔術を受けるが、結果は彼女が想像していたよりもはるかに優しいものである。
「傷が...」
直っていく。しわしわの紙が、まるで魔法でもかけられたようにしわ1つなくなっていくように。彼女の受けた傷がゆっくりと。焦げてはだけた服装までは戻らずのままだが、ダメージの軽減については抜群の効果を発揮しているようであった。
(次は何が起きた...いや!それよりも...)
殺生院が指一本分の天使の加速装置による電撃を打ち出す構えを取る。彼の使う魔術の中で最も速射性に優れたそれは、威力自体はないが、それでも先制攻撃というのはアニマでしっかりと防御を張る時間がない分、有効打足り得ることは間違いではない。
殺生院がそんな魔術名を唱える暇もなく発動させようとしたのは、現象を理解するよりも先に優先事項があったためである。どちらかにダメージを与えなければ、戦いに勝利し、絶対特権が使えるランカーへの道が遠ざかる。そう判断したためだ。
先までの来栖シュカは、彼の敵とはならなかった。せいぜい、一部戦いに参戦するくらいの雑魚。偶に魔術の副次効果を打ち消せる便利アイテム程度であり、その効果1つで戦局が変わるなどはないだろうと考えていた。
しかし、今の彼女となると話は全く異なってくる。突如として溢れたアニマ。理解できない現象を引き起こすペン。様々な要因が、来栖シュカを一人の能力者として覚醒させている。
万全の能力者二人を相手するのは難しいとの判断してこそだ。なれば、一刻も早くどちらかの隙を作る。特に能力者のレベルで言えば、優先するべきは来栖シュカである。
しかし、魔術を発動しようとした刹那、彼の体に痛みが走る。
(なん...)
彼の体は依然、星ヶ宮の与えた爆発と、血から発言した炎によって燃え盛っている。それでも彼が何事もなかったかのようにふるまっていたのは、アニマによる予期しない漏出がダメージを最小限にまで抑えていたからである。
そして、そのアニマを増幅させていたのは、自信と妄信。まとめ上げるは信仰心。そんな確固たるものによって彼の膨らんだ容量の中一杯に満ちていたのだ。
しかし、そんな自信の拡張は、同時に崩れやすさを示している。信仰が揺らぐものがあれば、保持できなくなってしまう。いくら体感を鍛えていたとしても、地面そのものが崩れてしまえばそれ以前の問題になってしまう。
「汚したのか?...穢したのか?我が天使を!」
「怪我してたのよ。あなたのせいで。」
寒い漫才の空気を吸いながら、来栖シュカは両手を広げる。さわやかな草原の空気を抱くかの如く、線上に立つ彼女は、文字通り目の色が変わる。
「ああ、何か、1つ掴んだ気がする。...能力の発現だけでは遠かった。イメージだけでもダメだった。...癪だけど、もう一つだけ欠けたピース。それを教えてくれたのは、目の前の彼でした。本当に癪ですけどね。」
爆風を浴びながら、来栖シュカの髪は靡いている。まるで野原に咲く花が空気に揺らめくように。きっと未来の先、彼女は――
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