空白の鯨
アサツユ
第1話 魔法が使えなくなる病
昔、この世界は誰もが魔法を使えて
幸せで、喜びに満ち溢れていた
だがある日、世界を食い潰す人間たちに耐えかねて神が世界に降りようとした
それを食い止めたのは世界で強大な魔法使い5人
「鎖の魔法使い」ラプソディ
「変転の魔法使い」ロマンス
「生命の魔法使い」ファンタジア
「風化の魔法使い」フィナーレ
「空白の魔法使い」カデンツ
この5人の意志に負けて、侵攻を取りやめたが、
変わりに厄災として
人を襲う魔物と魔法が使えなくなる病をばら撒き
天界へと帰っていった。
5人の魔法使いは厄災を無くそうと奮闘したが
無くすことはおろか、減らすことすらできなかった
そんな中、自分がおさめていた民衆の悲しみに
耐えきれなかった空白の魔法使いが
「私が、減らしてみせる」
空白の魔法使いは天高くへ上がり
自分が吸収できる限りの魔力を使って
空白の魔法を空高くへと放ち、世界は優しい光に
包まれた。
人を襲っていた魔物は激減し
魔法が使えなくなる病にかかる人も激減した
だが病は治す方法を編み出すまで
何百年もかかり
魔法使いの代替わりも何十回もして、ようやく
5人の魔法使いの誰かに魔力を注いでもらうことで
治せるようになった。
そして空白の魔法使いは厄災を減らした後の行方が
わからなくなり、空白の魔法使いがおさめていた国
は崩れ、他の4人の魔法使いが話し合いの末
平等に土地を分け、移民手続きをさせた。
僕は魔法が使えない病にかかっていたが
誕生日の今日、ファンタジア•ギフト様から
ようやく、病を取り除いてもらえる。
来てくれる夜までが待ち遠しくて仕方がなくって
家中をドタバタ走り回って、ベッドに飛び込み
また起き上がり、街中を駆け抜けた。
日が下がり、家に帰ると暖かい食事と
大好きなブドウが食卓に並んでみんな笑顔だった
半分食べ終わったくらいでドアが叩かれ
僕は勢いよくドアを開け、客人をみると
そこにいたのは白い髪花髪飾りをしている
ギフト様が、丈夫そうな魔樹が素材の杖を抱えてた
僕はギフト様に杖を渡され
「誕生日おめでとう」と言う言葉とともに魔力に
包まれた
白い光が満ちた部屋で
みんな誰一人笑っていなかった
家族は濁った瞳で僕を見つめ
ギフト様は何度も何度も僕魔力を注入していた
ギフト様は涙を流して僕以外の家族へ何かを説明し
ギフト様は帰っていった
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