初デート
当日
「出かけてくるね」
「そう、いってらっしゃい」
「あ、夕飯までには帰るから」
「そう、気をつけてね」
母とは、あまりプライベートな会話をしない。
必要事項だけ伝えるような、事務的な感じ。
だけど、この距離感はしょうがないと思ってる。
「行ってきます」
リビングに居る母へそう告げ、返事を聞く前にドアを閉めたから、母が返答してくれたのかは分からなかった。
シゲさんの思惑通りに進んだデート当日。
昨日は緊張して眠れず、朝起きてからもソワソワして、行きたいけど行きたくない変な気分だった。
日曜日なだけに、映画館の前はカップルや家族、友人と遊びに来てる人達で溢れ返ってて…
そんな場所で、待ちぼうけをくらってるのはあたしだけだと思う。
映画館の前で待ち合わせなんて、ベタな展開になってしまったのは、シゲさんプロデュースの結果。
藤本陽生の連絡先を知らないあたしは、映画館に着いてからその姿を探し続けてる。
今日一日、藤本陽生を見つけられなかったら、それもまた運命だ。なんて事を思った。
そんな事でも考えてないと、一人突っ立って時間を潰す気力が持てない。
…――ここへ来て何分経ったのかと、携帯を開いて時刻を確認してみれば…
「はぁ…」
溜め息しか出なかった。
十三時半から始まる映画に合わせて、待ち合わせの時間は十三時丁度にしろとシゲさんに言われ、あたしは十二時五十分にここへ来た。
そして、只今の時刻十三時七分。
自分が何分待ってるのかを計算するのも嫌になり、また辺りに視線を向けた。
久しぶりに履いたスカートが、寂しく風に揺れている―…そんなに強い風じゃないけど、捲れないように左手でそっと押さえた。
辺りには人が止め処なく行き交い、邪魔にならないように壁を背に立っていたあたしは、ふと、ベージュの色が視界に止まった。
スッ―…と、視界を横切ったそれは、行き交う人の洋服か何かの色だと思いながらも、下げたままの視線を左へズラすと、ベージュのズボンだと認識する。
正確に言えば、ベージュのズボンを履いてる人が居るんだけど、あたしの視界にはベージュのズボンしか捉えてないから、こうゆう表現になってしまう。
視線を再び自分の足元へ戻した。
もう映画が始まるかもしれない…と、半ば諦めモードに突入してた。
あのベージュのズボンの人は、恋人と見に来たのかな?とか、友達とだったのかな?って、あたしには全く関係ない事を考えてて…
そんな事でも考えてないと、すっぽかされたかもしれない可能性に、心が追いつかない。
だけど――…
気になる時点で、何か根拠があるんだと…あたしは思い知らされる。
時刻を確認しようと、右肩にかけていた鞄の中から携帯を取り出す為、左手を動かした瞬間、押さえていたスカートがフワッと風に揺れ、
「ャッ…!」
小さな悲鳴が漏れた。
咄嗟に両手でスカートを押さえたのはあたしだけじゃないみたいで、歩いてる女の子の何人かも、立ち止まったりしてた。
もう時間なんて後でいいや―…
ふーっと息を吐いて前屈していた姿勢を正すと、
「ぅぁっ…!」
さっきと同じく小さな悲鳴が出た。
だけどさっきと違って、驚き様は半端なく―…
「おまえいつから居た?」
藤本陽生が眉間に皺を寄せて、目の前に立っている。
…――さっき、あれだけベージュのズボンが気になったのは、きっとあたしが藤本陽生とゆう人間を、とことん好いているからだと気づかされた。
「下向いてると分かんねぇだろ」
一々偉そうな口調。
視線を落とすと、その足元は、さっき見たベージュのズボンと同じ。
頭から離れなかったそれは、たまたまじゃなく、藤本陽生に雰囲気が似てると感じたから。
毎日目で追ってる好きな人の歩き方は、目に焼き付いてる。
本人だった事に気づかなかったあたしにとって、肩書きの“彼女”とゆう立場は、仕方ないのかもしれない。
「…13時前には着いてました」
「ずっとここに居たのか?」
「はい…」
遅れてきた癖に謝りもしないで、責めるような口調で話すから、まるであたしが悪いみたいになってる。
「悪い、全然気づかなかった…」
その言葉に視線を上げると、眉間に皺を寄せたままで藤本陽生の表情は何一つ変わってない。
それが謝る態度か?
――だけど、
あたしが居る場所は、映画館の目の前で、別にここを待ち合わせの場所に指定した訳じゃない。
もしかしたら藤本陽生は、映画館の入り口の前に居たのかもしれないし、あたしが下を向いてる間に、通り過ぎたのかもしれない。
現に、ベージュのズボンを少し前には発見していた。
再び視線を落とし、ベージュのズボンを見る。
今思えば、私服姿の藤本陽生を見るのは初めてだった。
ドキドキと鼓動が早くなる。
何だか新鮮なその出で立ちを、いつまでも見ていたかった。
「行くか」
だけどヘタレなあたしが、いつまでも直視出来るような度胸なんて無く、
「はい」
藤本陽生が歩き出したから、その後ろ姿をこれ見よがしに見続けた。
チケット売場に着くと、シゲさんが言っていた通り、アクション映画の題名を藤本陽生がさっさと告げていた。
慌てて鞄から財布を取り出したあたしに、藤本陽生がチケットを一枚寄越してくる。
「あ!お金」
チケットを受け取らず、財布の中からお金を取り出すあたしに、
「金払えねぇだろうが…」
怪訝な面持ちのまま、差し出してた手を“早く受け取れ”と言わんばかりにこちらへ近づけた。
軽くパニックなあたしは、とりあえずチケットを受け取り、ゆっくり手を引いていく藤本陽生の動きを黙って見ていた。
ズボンのポケットから財布を取り出すと、五千円札をチケット売場のお姉さんに手渡した。
お釣りを受け取り、その場を離れると「何かいるか?」と、こちらへ振り返る。
「あの!お金」
一々テンパるあたしは、その声も弱々しくて…
「もう払った。何もいらねぇのか?」
「いや、あたしの分、」
自分のチケット代を渡そうと近づくと、
「払わなくていい」
鬱陶しそうに睨まれたから、「…ありがとうございます」と、言われた通り財布を鞄の中に閉まった。
「何もいらねぇのか?」
何度目かの言葉を口にする藤本陽生は、自分でも同じ事を何度も問う事に嫌気がさしたのか、少し溜め息混じりで…
「いいです。大丈夫です。」
慌ててそう答えた。
「じゃあ俺は買ってくる」
「え?」
「おまえここで待ってるか?」
フードコーナーへ視線を向けると、凄い人の行列が出来てて…
「…やっぱり、あたしも買います」
一人で行かせるのを不憫に思い、付いて行くとゆう選択肢を選んだ。
だけど――…
「……」
長い行列に並んで待っていると、間が持たない。
辺りは色んな人の会話でざわめき立っているのに、あたし達だけ無言。
何も悪くないのに、何だか肩身が狭い…
一応カップルのあたし達は、端から見てもカップルな訳で、心の距離がこうして2人の立ち位置にも表れてる気がして…
それを、周りが可笑しいと感じてるかもしれないと思うだけで、居た堪れなかった。
ソワソワしたとこで、話も思いつかないし、まず会話が出来ない。
藤本陽生とデートする時点で、こうなると予想はしてたけど、現実本当にこうなってしまうと、やはり落ち着かない。
そう感じてるのはあたしだけだと思うけど…
隣に立ってる藤本陽生を盗み見ると、真っ直ぐ視線を前へ向けていた。
少しずつ動き出した列に沿って、前へ一歩ずつ足を動かす。
不意に――…
「どいつだ?」
藤本陽生が呟いた。
「え?」
「どこに居る?」
「え?え?」
意味が分からない。
「あー…知らねぇのか…」
最後にはそう納得して、再び前へ向き直った。
「何がですか?」
不意打ちだったにせよ、藤本陽生が話かけてくれた事によって、聞き返す事が出来た。
藤本陽生は視線だけ向けてくる。
すぐに逸らすと、伏し目がちに呟いた。
「シゲが言ってたろ」
「…シゲさん?」
何だろう?と考えてみたとこで分からない。
「面倒な事になってるだろ」
「面倒…」
その言葉で、あの事かと思い出した。
そもそもこのデートは、藤本陽生に付き纏っている女の人の“ダーリン”に、藤本陽生には彼女が居ると、証明しに来たとゆう設定だ。
シゲさんの言葉を信じてる藤本陽生は、この映画館に働いてるとゆう設定の、本当は居ない“ダーリン”がどこに居るのか、あたしに聞いたんだろう。
だけど、あたしが知る筈もないと思い、さっきの納得に至った訳だ。
すっかり忘れていた…とまでは言わないけど、それ程重要視していなかっただけに、今日のデートに藤本陽生は渋々足を運んだのだと思うと、不意に気分が落ちた。
「あの…」
それを振り払うように呟いた。
「陽生先輩は、その人の事もう好きじゃないんですか?」
今はダーリンの彼女になったその人。
その女性の事を、藤本陽生は本心ではどう思っているのか…
聞くのは恐れ多いけど、聞かずにはいられなかった。
ビクビクするあたしに、ハラハラするあたしに、藤本陽生は何とも言えない表情でこちらを見た。
しいて言うなら、はぁ?と今にも口にしそうな呆れた表情。
だけど眉間に皺を寄せて、睨まれてる気がしないでもないから、怒っているのかもしれない。
余計な事に口を挟むな。と、機嫌を損ねたのかもしれない。
何も言ってくれないから分からない…
「あの…」
早々に謝った方がいんじゃないかと思ったあたしは、
「見当違いもいいとこだな…」
藤本陽生の溜め息か呟きかによって、言葉を呑み込んだ。
「見当違いですか…?」
「…おまえには、俺が想いを寄せてるように見えるのか?」
「いや…」
それを今、あたしが聞いてるのに…
「仮に好きだとして、俺達はどうなる?」
そう呟いた藤本陽生の横顔が、陰が掛かったみたいで良く見えない。
「仮に、俺が好きだとしたら、おまえの立場が無いだろ」
藤本陽生の言葉が、あたしの奥深くにある部分に、強く突き刺さった。
あたしの立場なんて、有って無いようなもの。
藤本陽生に本命が出来てしまえば、あたし達は終わらなくちゃいけない。
それは藤本陽生本人が、一番分かってる筈。
今回はフェイクだとしても“ダーリン”の一件がキッカケで付き合う形となったあたし達は、“ダーリン”の件が解決した時――…同時にあたしの立場は不必要となる。
「じゃあ、」
…――陽生先輩は、好きな人居ないんですか?
その言葉は、列の順番が回って来た事によって、口にする事はなかった。
飲み物も買ってくれた藤本陽生は、チケットを買った時同様に、「もう払ったから財布をしまえ」と、半ば脅しのような口調であたしにドリンクを手渡してきた。
申し訳ない思いでいっぱいになり、
「次はあたしが払いますから!」
そうお礼の意味も込めて伝えると、
「次なんてあるのか?」
真顔で痛いとこを突かれてしまった。
何も言い返せないまま、藤本陽生は返答も待たずに場内へ足を進める。
その後を重い足取りで付いて行くあたしは、何て惨めなんだろう…
…その背中をとても愛しく思う。
この人と心を通わせたいと、切に願う。
叶わないと思っているからこそ、その願望は更に膨れ上がる。
想うのはあたしの勝手。
見つめるのはあたしの自己満足。
それでいい。
それでいい…と、言い聞かせた――…
あたし達の座る場所は、一番後ろの一番端の2列だった。
この席を選択した辺り、藤本陽生らしいなと納得した。
当然の如く一番端へ腰掛けたのは藤本陽生。
それに続いて、遠慮気味にあたしも腰掛けた。
普段こんなに近くで並んで座る事なんてないから、凄く緊張する。
隣なんて絶対見れない…
場内が薄暗くなり、映画の始まりを告げるコマーシャルが流れ始めた。
緊張から喉が乾いて来てるのに、ドリンクに手を付けるのすら躊躇してしまう。
少しの動作で触れてしまいそうな近距離に、硬直するしかなかった。
心臓が震える程の大音響。
スクリーンの明かりが、あたし達の影を作る。
映画を見ていても隣に意識が向いて、映画に集中しようと、繰り返しスクリーンに目を凝らした。
藤本陽生は静かにアクション映画を見てた。
誰が怪我しようが、誰が倒れようが、藤本陽生の気配は変わらない。
映画の中で物が衝突した時の、大きな音にビクともしないで。
映画館で騒ぐ人なんて居ないと思うけど、生身の人間なんだから、多少の動きがあってもおかしくはない。
例えば、咳をするとか。足を組み直したり、背筋を伸ばしたり。
そうゆう動きが、藤本陽生には感じられなかった。
むしろ寝てるんじゃないかと思ったぐらい、物静かで。
意を決して、飲み物を取るフリして隣を盗み見ると…どうも起きてるみたいだし、映画も見てる感じだったから、盗み見たのを悟られないように、そのまま飲み物を手にとって一口飲んでおいた。
アクション映画は嫌いじゃない。でも好んで見ようとは思わない。
だけど、この映画の内容は凄く面白かった。
藤本陽生が「見たい」と口語するだけの事はあるなと思う。
そのお陰か、映画に集中すれば緊張もほぐれ―…
「……」
…―る、筈だった。
チラッと見たのがいけなかった。
映画に集中していれば良かったものを…
左に座っている藤本陽生に対して緊張がほぐれたせいか、いっぱいいっぱいだった五感が、それを捉えてしまった。
映画を見ていたあたしの耳に、クスクスと声を潜めて笑うような音が耳に付いた。
ヒソヒソと聞こえるその声だか吐息だか分からないものが、無意識に気になってしまったんだと思う。
チラッと視線を右側に向けると、3つ隣の席にカップルが座っていた。
あたし達が座っている席は一番後ろだから、間が何席かポツポツと空いていた。
壁側の一番左端に座る藤本陽生。その隣に座るあたしの右隣には、2列分が空席で、3列目に彼女。その隣に彼氏が座っていた。
だけどこのカップルは座っていただけじゃなかった。
激しいアクション映画のどこにムラっとくる要素があったのか…
濃厚なキスを繰り広げるカップル。
それは段々とヒートアップして、彼氏が彼女の体を触ってるように見えた。
二席空いているとはいえ、遠くはないその距離だと嫌でも目に付いてしまう。
見ないようにスクリーンへ視線を向けると、“何か”してると分かる声が耳につく。
視界の中で動いているカップルの動作が、“何か”してると分かるから映画に集中出来ない…
こんな時にこんな所でマジ勘弁してほしい…
あたしがカップルと一番近い距離に居る所為か、周りの観客達は気づいてない様子で、スクリーンに見入っている。
これが、一緒に見に来てるのが友達だったら、
「隣のカップルが“何か”してるよ!」って、この苦痛を共感して貰えるのかな…
藤本陽生ってなると…
只でさえ会話もままなら無いのに。
この手の話題は――…
絶対無理だ!
マジで勘弁してくれ…
ガクンと肩を落とし、肘掛けに置いていた右手で、カップルを遮断するように頭を支えた。
「はぁ…」
スクリーンを見つめるものの、映画の内容が頭に全く入って来ない。
どうしてあたしが、イチャつくカップルの為に気を使わないといけないんだ!
「おい」
スクリーンを睨んでいると掛けられた声。振り返り、そのまま藤本陽生を見上げた。
「立て」
だから、睨んだままだったかもしれない。
ガッツリ眉間に皺を寄せてたかもしれない。
「聞いてんのか」
そう言いながら立ち上がってる藤本陽生に、
「立てって言ってんだろ」
意味が分からないまま腕を掴み上げられた。
まさか!
まさか藤本陽生まで!
カップルの“何か”してる姿が脳裏を過ぎる。
“それ”を見てしまったせいで、完全に脳内は“それ”一色で、藤本陽生の言動が、脳内のカップルと一致してしまった。
「こっち来い」
「は!?」
「おまえこっちに来い」
「え!?」
立ったままあたしの腕を引き込む藤本陽生に、映画そっちのけで叫んでいた。
だけどあたしの声は、場内の大音響でかき消される。
有無を言わせぬ態度で、されるがままに藤本陽生の胸に包まれた。
…―かと思ったのは、一瞬で。
入れ替わるように壁側へと押され、藤本陽生はあたしが座っていた座席に腰を下ろした。
「おい」
呆然とするあたしは、
「座れ」
藤本陽生に言われるがまま、藤本陽生の温もりが残る座席へ、ストンと腰掛けた。
「おまえの」
藤本陽生が左手でドリンクを手渡して来る。
それを慌てて受け取り、変わりに藤本陽生のドリンクも手渡した。
何にドキドキしてるのか、自分の事なのに良く分からない。
だけど、ドキドキしてるのは確かで…
一瞬でも、藤本陽生に抱き締められるかと思った、あたしの馬鹿な思考を打ち消して頂きたい!
掴まれた腕が熱くて、藤本陽生に触れた体が今にも悲鳴を上げそうだ。
あのカップルみたいに…と、勘違いをした自分が恥ずかしくてしょうがない。
だいたい席を替わるなら、そう言ってくれれば良いのに!
何も言わないから、あたしが勘違いしてしまう!
乾いた喉を潤すように、ストローから思いっきりドリンクを吸い込んだ。
スクリーンに目を向けると、
…気にならない。
“何か”してるカップルが、全く気にならない。
てゆうより、藤本陽生に遮断されて見えない。
ホッとして、緊張感がとけたのか、肩の力が抜けて行く。
…――もしかして、
咄嗟に藤本陽生を見上げた。
「…何だ」
視線に気づいた藤本陽生が、睨んでくる。
だけど今は気にならなかった。
だっておかしい!
何で一々座席を変わるの?
おかしいでしょ!
自ら進んで端っこを選んだ藤本陽生が、映画に集中して動かない程の藤本陽生が、理由も無く座席変わんないでしょ?
「あの…」
確信してるのに、“あれ”をどう聞けばいいのか分からない。
「気にすんな」
口籠るあたしに、藤本陽生が呟いた。
「もう見えねぇだろ」
あたしが聞きたかった、答えも一緒に。
カップルを一瞥すると、何もなかったようにスクリーンへと視線を戻した藤本陽生に、あたしはコクコクと頷いた。
やっぱり藤本陽生は、あのカップルを理由に席を変わってくれたんだ。
“何か”してるカップルに気づいてか、あたしが不快に思ってるのを感じたのか、どうゆうつもりで変わってくれたのかは定かじゃないけど…
席を変わってくれた藤本陽生に、肩書きなんかじゃなく、本当の…彼氏に守られてるみたいな、錯覚を覚えた。
凄くドキドキしてる。
守られるって、こんなにも嬉しい。
例えこれが錯覚でも、この一瞬――…あたしは確かに幸せだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます