第31話 其々の思惑
ガル宰相は思った。
ヒロと言う若い男、魔道具作りは卓越して居るが、領主の能力は皆無に見える。
国王様が侯爵に陞爵され、広大な侯爵領を与えたなら、国内の貴族達不満が爆発し内乱が勃発する恐れがある。
いっそ体の良い国外追放はどうで有ろう? 未開の荒れ地を領地に与え、我が国と無関係の国を建国させれば……良いぞ! 煩わしい問題も全て解決する! ヒロは問題なく今まで通り魔道具作りが出来、国王様も最高の褒賞を与える事になり、ご満悦で有ろう! 決定だ!!
国王は思った。
国王のお膝元で、機械人形破壊が密かに行われて居った。
ヒロを宮廷魔道具師として取り込んだ場合、宮廷内の安全が絶対かと問われると不安が多い、ヒロ宮廷魔道具師は魅力的じゃが現実的では無い、侯爵領を与えて領地運営で手一杯にしておいて、必要な時に召集する方が、王宮の平和に繋がるで有ろう、が、侯爵領として何処を与える? ……問題は宰相に任せるに限る。
やはりガル宰相は有能じゃ! そんな解決策普通は思い付かんぞ!
『ヒロ魔道具王国』とは、ヒロのような究極の魔道具師は、王国国内の何処に居ようが問題は発生する、ヒロ本人が今の住居ごと他国人になれば、貴族どもも不平は言うまい!
他国扱いに成ってもヒロは変わらず、魔道具作り意外興味が無いで有ろう、我が国の言いなりでヒロミより扱い易い、属国魔道具王国の誕生!!
最高の褒賞を与えた事になり、儂の面目も考えた最高の解決策じゃ!!
「ヒロ魔道具師! いや! ヒロ魔道具王国の国王! 建国の準備も有ろう!『ヒロ魔道具王国』建国の発表は余が国内に詳細発表して置く! 大急ぎ貴国に帰られよ」
宰相は、ぼんやりしているヒロ魔道具師を促し追い出した。
「国王様、短い間でしたが、お
「ま、待て! おい待たんか!!」
王を振り切り、オートマタのミーシャはヒロのもとへ急いだ。
王国中の機械人形達が、レミングの大行進の如くミーシャの後を追った。
機械人形の大行進は王国中の隅々、一体残らず機械人形が参加し異変は機械人形に生活の多くを頼っていた、裕福家庭から不満の声が王宮に殺到した。
ミヒロの詳細通信を受信した、ワインとロゼットは
「一番に遣るべき事は、国境の防御璧作りからだな!」
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