一気に冷たくなり、硬くなる彼の身体。


魔羅から口を離し、動かなくなった彼の顔を覗くと、蒼白になりながら閉じられなかった眼からは涙が零れていた。


その眼球をベロリと舐め上げ、もう息の無い泡吹く口に今日何度目かの口吸をする。


興奮する自身の反り立つ魔羅を彼の口を開いて突っ込み、ニ三度腰を揺らせば、すぐに精を吐き出した。


ハァ、ハァと息を荒げ、彼の口内に精を塗りたくり引き抜く。


彼の冷たい身体は心地良く、私の火照った身体の熱を早々に冷ましてくれた。


「嗚呼、これでやっと……!」


彼の身体を抱き締めながら、私は心の底から満ち足りていた。


何故なら、同じ体温に染まる彼と伴に浄土へ逝けるのだから。


独り寂しくこの世を終えるよりも、愛する彼と同じ箱に納まり、同じ体温の身体を抱きながらあの世へ向かう方が良い。


白絹の衣を着せ、唇には彼が流した血を指で掬い、紅に見立てて刺すと、まるで白無垢の様だとほくそ笑む。


そういえば昔に聞いたことがあった。


なんでも、白無垢は死の象徴なのだとか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る