奥さんを守ろうとしてメス堕ちする話

ガラドンドン

負けですっ!ボクのっ、ぅあ、負けだからぁっ!!

今日ボクは。大切な妻を守る為に、親友に抱かれる。



主衛かずえ。この写真ばら撒かれたく無かったらさ。俺に抱かれろよ」


幼馴染であり、親友の友義ともよしにそう言われたのは、つい先程の事。

友義は、酒のせいか。熱の籠った視線をボクに向けている。

その顔はいつも通り、男のボクが見ても綺麗なものだった。何人もの女の子と付き合って来た顔だ。

休みの日、居酒屋の個室で飲んでいた時の事。最初は何を言っているのか分かっていなかったボクに、友義はこう続けた。


「分かるだろ。これ、お前の奥さんが、お前と付き合う前に俺と寝た時の写真」


友義の手がひらひらと写真を振る。そこに映っていたのは、学生頃のボクの妻。千尋ちひろのあられもない写真だった。

黒く長い艶のある髪。新雪の様な白い肌。仄暗いながらも、強い自我を秘めた深く濃い瞳。幸せになって欲しい。幸せにしたいと決意をし、結婚にまで至った妻に間違えはなく。

出会ってから、結婚し今に至るまで。常ながら、心身共に美しさを損なう事の無く。二人での床の間ですら。余裕と言うものを失った瞬間を見た事の無かった彼女。


その妻が。見た事も無い、口を大きく開けた蕩けた顔で、髪を激しく乱れさせ。

M字に開かれた両脚の中心にある性器は、男の一物をぐっぽりと咥え込んでいる。瞳と頬は真っ赤に染まって、余裕の無い色に染め上げられていた。

シーツには、男との愛液がぐちゃぐちゃに混ざりあっているであろう大きなシミが出来ていた。


「は……?な……?」


「勿論これ以外にもあるぞ。

お前がオレに抱かれないなら、全部を千尋ちゃんのばあちゃん家や勤め先、近所にもばら撒くぞって言ってんの。可哀想だろ?そうなったら」


酒に酔って熱くなっていた頭が真っ白になって行くのを感じる。その上で、心臓の血流が早くなって痛い。思考全部が緩慢だ。


「千尋ちゃん、苦労したよな。ご両親いなくて、ばあちゃん一人に育てられて。

ほら、虐めもあったし、半グレの先輩に攫われたり、金持ちのぼんぼんに目ぇつけられたりさ」


千尋との思い出を、友義は語り出す。


妻の千尋とは高校の頃に出会った。彼女は、学生の当時からその美貌や性格から良く無い人間に目を点けられてきた。

両親を亡くした彼女は、当初は友達を作る事も無く。

周囲はまるで勲章か何かのように彼女を手にしようと扱い。嫉妬した同級生に虐められる事もあった。


「お前とオレで頑張ったよな。友達作ったり、一緒に助けたり、お前が千尋ちゃんに気持ち伝えられるよう手伝ったりさ」


そうだ。千尋に一目ぼれしたボクを、友義は常に応援して助けてくれた。

暗い表情をしている彼女を放っておけないと奔走するボクを、いつも支えてくれていた。


時には半グレとの喧嘩でボロボロになったり。ボンボンのボディーガードと決闘をしたり。

ボクと一緒に、友義も傷ついては、千尋を助けられた時には一緒に馬鹿笑いをしてくれた。

千尋に想いを伝え、結婚にまで至れたのも。全ては友義の後押しがあってくれたお陰だからだ。


そんな大切な親友が、どうしてこんな事を言っている?


「なんでこんな写真を持ってるのかとか。色々聞きたい事もあるよな。

今からオレに抱かれたら、全部教えてやる。チャンスは今だけ。ここで断ったら、何も教えないしこれは明日にはばら撒かれてる」


「あ、う、ちょっと待って友義、待って」


「待ってどうする?千尋ちゃんに直接聞くか?

友義とセックスした事があるって本当?って」


「そんな事聞ける訳ないだろ!でも、なん、抱かれろってなんでさ!何言ってんの!?

全然分かんないよ!」


そう言うボクに、友義は寂しそうな顔をした。昔から、たまにこの顔をする。その時ボクはいつも、こいつの何かを傷つけたんだなって気づく。長い付き合いだったから。

でも、今回ばかりは気にしてやれなかった。


「……良いんだよ。分かんなくて。

取りあえず、ここでこれ以上話すのもなんだしさ。ホテルまで来いよ。

そこまで来たら、この写真がなんなのかは先ず教えてやる」


友義の言葉に、ボクは渋々頷く。

ここでこれ以上千尋の話をして、万が一千尋の知り合いの耳に入るのが嫌だった。それに、ホテルで二人きりになれば抵抗も出来るし、写真やデータを奪う事だって出来る、筈だ。

ボクは友義に喧嘩で勝ったことは無いけど、本気でやれば、きっと。


「良し。じゃあ決まりだな。会計は俺が払っとくよ」


友義はふにゃりとした笑顔をボクに向ける。幼馴染のボクにだけ向ける、無邪気な笑顔。その顔は、昔のままなのに。今のボクには、友義が得体のしれない怪物に見えた。

ボクは、気合を入れようと残っていた酒を飲み干す。心臓が熱くなる。

ボクは、千尋を幸せにしたい。出会った時からずっと、その為に生きて来た。だから。

友義の企みになんて、絶対に負けない。



────


「負けですっ!ボクのっ、ぅあ、負けだからぁっ!!」


僕は、友義の性器をお尻に挿れられながら叫んだ。

両手両足を結束バンドで拘束された状態で、犬の交尾のようにラブホテルのベッドの上で組み敷かれている。


「うんうん。素直にそう認めような~。

千尋ちゃんも、主衛みたいに中々強情張ってたけど。その内自分から負けたいですって言うようになってさぁ」


友義が甘い声でボクの頭を撫でる。ボクは、初めて過ぎる刺激に頭が真っ赤と真っ白になっていて何も考えられない。なんでこうなったんだっけ?


そう。最初、ラブホテルに入って直ぐ、友義に問いただした。


あの写真はなんなのか。千尋と隠れて付き合っていたのか。

友義はその造形の良い顔を、もっと綺麗な笑顔で歪ませてボクに応えた。


付き合っては無い。千尋は、何回セックスしても、主衛と別れる事はしようとしなかった。

只、ボクに知られたくなくて。ずっと言いなりだったと。


言葉一つ一つに頭が沸騰しそうになっていた。彼女を脅していたのか。ボクを裏切っていたのか。

幼い頃から。友義の事は、この世の誰よりも一緒で。信じて来たのにと。


その後直ぐ、友義にこれ以上聞きたかったら服を脱げと言われて。

言いなりになるつもりなんて勿論無くて。友義をやっつけて、縛り上げてやろうと思って近づいたら、返り討ちにあって。


あれよあれよと言う間に身体を解されて、こんな状態になってしまっていた。


「ほら、聞きたい事があったんだろ?

言ってみろよ。教えてやるから。

主衛の冴えないおちんちんとのセックスと、俺とのセックス。千尋ちゃんがどんな風に比べてたか言ってやろうか?」


顔の見えない友義が、震えた声でなぶる様にボクに言う。元々下品な話が好きな奴だったけど。

今は、わざと下卑た言葉を使ってるみたいだ。その声は聞いた事も無い位に興奮していた。背中に、友義から垂れて来た雫が当たって流れ落ちる。


「……っ、いつ、から、千尋と」


「寝たのかって?

さっきの写真のちょっと前頃からかな。丁度、主衛が告白する前の日辺り。俺に告白するんだって相談したろ?

その後千尋ちゃんを家に呼び出して、そのままな」


友義が言葉と一緒に腰を動かす。ボクはそれに合わせて与えられる刺激に、情けなく声を上げる事しか出来ない。


「まさかその次の日に普通~に付き合いだすとは思わなかったなぁ。

何も気づかなかったし、知らなかったろ?千尋ちゃん、めちゃくちゃ隠し事とか嘘つくの上手なんだよねぇ」


「そん、な」


本当に、何も気が付かなかった。千尋はいつも通りに、深く落ち着いた雰囲気のまま。それでも、白い頬を少し染めて、ボクの気持ちに応えてくれていたのに。

自分の鈍感さに腹が立った。

千尋と付き合い始めた後だって。ボクと友義は、何度かトラブルに見舞われて来た。それでもいつもなんとか解決して来たのに、裏ではそんな事をされていただなんて。


「じゃあ、ぅ、それからずっと、結婚してからも、ずっと?」


「当然な。

千尋。プロポーズの返事ちょっとだけ待たせたろ?

あれ、俺が結婚して良いよって言ったからOKしたの。バラされるんじゃないかって心配だったみたいで。

けど、黙っておいてやるよって言ったら浮かれて返事しに行って。可愛かったなぁ。バカ過ぎて」


友義はそう言いながら、また身体の動きを再開する。千尋をバカにされて文句を言いたかったボクは、また何も言えなくなる。変わりに出るのは、自分でも聞いた事の無いような声。

口調も荒っぽいし、最低最悪な事をされてるのに。強い刺激が甘くて、異様に手付きが優しくて。殊更気持ちが悪かった。


何度も何度も頭の中を真っ白にされて。拘束をされたまま、身体中の全部に触れられて果てさせられた。

いずれ、頭の中が白くなって行く時間が長くなって行く。

友義は時折ボクに、「千尋ちゃんは、お前と別れるって言ってたよ」とか。

「俺とのセックスの方が、主衛とのより気持ちよくて幸せだってさ」とか。


思い出したように言っては、ボクの反応を楽しんでいるみたいだった。ボクはいよいよ何も考えられなくなって。終わりの頃にはもう、半ば気絶してしまっていた。


「ソっ……クソっ。……と、ずっと一緒にいたのは……なのに。

なんであんな……が全部取って……」


友義の声が、端々に耳に入って来る。

もう殆ど聞き取れない中で、ぼんやりとした考えが浮かぶ。


そう言えば。聞きたかった事を聞けなかったな。

なんで、お前は泣きながらボクを抱いてるんだ。って。

お前が泣いている声位は、今のボクにも分かるのに。何を考えているのかが、分からなかった。


────



知らない間に、友義はボクの痴態を撮影していたらしく。

無理矢理入れられた二人でのシャワー後。ボクにUSBを渡すと同時に、こう言って来た。


「千尋ちゃんに知られたくなかったら、分かるよな?

大丈夫。お前が好きにさせてくれる間は、千尋ちゃんに手は出さないから」


本心の分からない笑顔を浮かべる友義に、ボクは何も言わずに背を向ける事しかできなかった。握ったUSBには、千尋のこれまでの撮影が入っていると言っていた。


千尋は、朝帰りをしたボクを、呆れながらも心配した様子で迎えてくれた。友義が千尋に、ボクが飲み過ぎたから泊まらせて帰ると連絡を送っていたらしい。



一言二言千尋と言葉を交えて、自室へと向かう。

大丈夫。何も気づかれてはいない筈。背中に刺さる目線は、気にしないように。


自室に入り。確認の為に、イヤホンをしてUSBをパソコンに接続する。友義と性交をする千尋の姿が、そこには映っていた。

動画の最初は嫌がっている姿。抵抗し、懇願し、ボクの名前を呼んで、助けを求める千尋を。無理矢理抑え込み、侵して行く友義も映っている。


千尋がボクの名前を呼ぶ度に、友義が綺麗な歪んだ笑みを浮かべていく。

どれだけ助けたくても。過去には間に合う訳も無くて、ボクは千尋を助けられない。


動画が後になればなるほど、千尋の身体が友義に開かれていくのが分かる。脅されての関係だろうけど。千尋の心とは裏腹に、身体は友義に抱かれる事に慣らされて、抵抗が薄くなって行く。

……そもそも、心すらももう離れているんじゃないか。親友の裏切りにすら気づけず、千尋の変化にも気づけないボクに。千尋の心が分かる訳が無かった。


動画に映る千尋は、ボクとのそれよりも高く、甘えた嬌声を上げていた。甘えさせられていた。

ボクと別れると言わされていた。友義の責め苦に情けなく許しを縋って。主衛とよりも良い。主衛の事なんて嫌いだ。どうでも良いと。叫んでいた。友義の言っていた事は本当だった。


そして。そして。

動画に映る全ての千尋は、涙を流していた。事の終わった後。静かに感情を溢していた。


心は分からない。けど、これ以上千尋を友義の好きにさせるつもりは無い。千尋を泣かさせない。

ボクが友義に抱かれていれば。友義が千尋に手を出す事は無くなるだろう。そんな隙を与えない程に、ボクがあいつの傍にいれば良い。


それがもしかしたら、千尋にとっては余計な行為でも。彼女を裏切る行為でも。

ボクは千尋を幸せにする為に。ボクに出来る事をやろうと決意した。




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