死に場

かき猫またたび(オス)

死に場

今日、私はどこで死ぬのかという問いは人によっては愚問だろう


平和に一日を過ごせたならば死に場はたいがい寝床になる


瞼を閉じていつの間にやら意識を失い、今日の自分は死んでいく


産み落とされた明日の自分が地面に転がったバトンを拾ってまた歩むのだ


青年よ、「オレは一晩中マージャンをしていたんだ、寝てなんかいない、ずっと元気だ」と言うのはやめなさい


君も一寸の空白もなく麻雀のことばかり考えているわけじゃないだろう


呆けたような顔でなにも考えていない時もあるだろう


そんな時に、沸騰した鍋と蓋の隙間ともいえないような隙間から這い出る湯気のようにすすすーと揺らぎがのぼっていくのさ、今日の自分が


火が弱まってどんなもんかと蓋を取って鍋の底にゆったり横たわるものが明日の君なのだ


毎日毎日私は死んで君も死ぬ


やがて私は毎日死ぬこともできなくなって私と会話することができる君も永遠に死ぬのだ


死を恐れてはいけない


日々何がしかは死んでいるし、私も君も今日も死ぬ


死の連なりが生を育み、生の輝きは進みゆく時の標となる


考えなくてはいけない、今日の自分はどうやって死ぬかを


自分の意思で歩けるうちに

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死に場 かき猫またたび(オス) @kakinekomatatabi_osu

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