学園の美少女らに言い寄られ始めた日。俺の事が大嫌いな女の子が、なぜか告白してきた⁉
譲羽唯月
第1話 新しい人生の朝を迎えた俺は、美少女らと関わる事になった
その後、一瞬で辺りが暗くなったのだ。
「ち……ちは……」
ん?
「ちはや……そろそろ起きないと遅刻するよ」
誰かの声が聞こえ、千楓は目を覚ます。
「……え、ここは?」
「あなたの部屋でしょ」
「え? あ、ああ」
千楓は重い瞼をゆっくりと見開いて、辺りを見渡す。
すると、目が慣れてきて、この場所が自室である事に気づいたのだ。
カーテンは閉められていたが、近くにいた人によって開かれる。
「ほら、もう朝なんだから!」
今度は、その人から強めの口調で言われる。
部屋に、外からの光が入り込んできた。
千楓は眩しいと感じ、目を細めてしまう。
「おはよう、千楓」
「お、おはよう……えっと、あなたは?」
「私? 私は、昔から千楓と知り合いじゃない。忘れちゃったの? 私は、
「夏海……ああ、そうだったか。ごめん、何かわからなくて」
「まあ、千楓は、一日でも早くに学校に慣れないとね。朝食はもう作ってあるからリビングに来てね」
「う、うん……」
千楓はまだよくわからず、朝起きたばかりで脳内が定まっていないだけなのかもしれない。
千楓はベッドから降りると、その場で背伸びをするのだった。
千楓は、黒髪ロングヘアの夏海お姉さんに行ってらっしゃいと言われ、自宅を後にしていた。
それにしても夏海さんはデカかったな。
エプロン越しでも、相当な爆乳に見えたのだ。
い、いや、朝から、そんな事は考えるのはよくないよな。
千楓は首を振って気分を切り替える事にした。
でも、夏海さんみたいな人と付き合えたらいいのにな。
千楓には恋人などもいないのだ。
できれば、恋人を作り、楽しい放課後を過ごしたい。
そんな願望を抱くようになっていた。
千楓は歩きながら生徒手帳を確認し、自宅から十五分くらいのところにある
なぜか、記憶が曖昧な気がして、少し眠りが深かったのかなと思いながらも通学路を歩き続けた。
その途中で同じ学校指定の制服を着た人らがいて、その人らの流れに交じって学校に到着したのだ。
教室に入ると新鮮な感じがする。
しかも、クラスメイトらが千楓の事を珍し気に見つめてくるのだ。
え?
俺、何かしたっけ?
首を傾げ、千楓は何となく席に座ろうとする。
「ねえ、あんたさ、その席、私の場所なんだけど!」
「え?」
その場にいたのは少々強気な姿勢を見せる女の子。
ツインテールなヘアスタイルが特徴的な彼女は、千楓の事を睨んでいるのだ。
「ご、ごめん……」
「あんたの席は、そっち、隣の席ね」
「あ、え? そうなんだ、なんで間違ったんだろ」
「そんなの私も知らないし……」
彼女は千楓の事を睨んだ後、不満そうな顔を見せ、ため息をはいて席へと座っていた。
なんか、とんでもない奴の隣の席になってしまったと、千楓は後悔しながら自身の席に座るのだった。
昼休み。
千楓は一人だった。
購買部で購入してきたパンを片手に、屋上に設置されたベンチに座り、何となく遠くの景色や空を眺めながら昼食を取る。
千楓は頭を抱えていた。
午前中の授業は、隣の席の子から色々と睨まれ、授業になかなか集中できなかったのだ。
「ねッ、千楓!」
「え?」
「そんなに驚くこと?」
彼女はいきなり、千楓の前に立っていたのだ。
しかも笑顔で、千楓がパンを食べているところを眺めている。
「な、なに?」
「何って、一緒に昼食を取ろうと思って」
「えっと、君は?」
「私は
愛華は、茶髪なロングヘアスタイルであり、フレンドリーな話し方をする子だ。
「幼馴染? そんな人っていたっけ?」
「そうだよ。でもね、長い間、関わってなかったから千楓も忘れちゃってるだけだよ」
愛華は、千楓が座っている隣のベンチに座って来たのだ。
「そうか?」
「そうそう」
千楓は彼女と共に昼休みを過ごす事になった。
最初は誰かと思っていたが、会話する内に段々と愛華が幼馴染なのだと、何となく感じるようになっていたのだ。
はあぁ……何とか授業が終わったぁ……。
千楓は一日が長かったと思いながら、放課後のHRが終わるなり、机の上に乗せた通学用のリュックに課題を詰めていく。
え?
隣の席の彼女が、千楓の事を睨んでいた。
なぜと思いながらも、千楓が硬直していると、彼女は何も言わずに立ち去って行く。
なんだったんだろ。
というか、あの子とこれからずっと隣同士の席なんて、やっぱ、心が折れるって……。
今日の学校は終わったが、明日の事を考えると気が滅入ってくるようだった。
帰るか。
千楓は一人で教室を後にする。
廊下を移動し、階段を下り、昇降口を出ようとした時に、背後から声をかけられた。
振り返ると、とある女の子が佇んでいたのだ。
千楓よりも背丈が低い感じの子である。
「先輩は部活には来ないんですか?」
「部活? 俺、何か入っていたっけ?」
「先輩は前に部活を辞めたのは知ってるんですけど。やっぱり、部活に来てほしくて」
俺、部活を辞めていたのか。
じゃあ、一応は部活をやってたんだな。
遠い過去に、何かの部活をやっていたような気がする。
「どうしますか? 私、先輩がいないと、なんていうか、楽しくないので」
「まあ、考えておくよ。もしかしたら、後で行くかもしれないし」
「わかりました! あと、先輩にこれを渡そうと思って。受け取ってください!」
「これは?」
千楓は小さな箱を開封しようとする。
「ちょっと待ってください!」
「え?」
「それは家で確認してください」
「わ、分かった。そうするよ」
千楓は、
なんか、今日は色々なことがあったな。
千楓はモヤモヤと考え込みながらも、通学路を歩いて帰路についていたのだ。
「あのさ、あんた、ちょっと待って」
「え……」
千楓はあの子の声であるとわかると、あまり耳を傾けたくなかったが、後々面倒になりそうな気がして足を止め、その場で振り返ると、そこには案の上、あの子が佇んでいたのだ。
「私……あ、あんたと話したい事があるんだけど」
「なに?」
「何って……私とさ」
「う、うん……」
「付き合ってほしいんだけど」
「な、なぜ? 君は俺の事が嫌いなんじゃ?」
「そ、そうだけどッ! で、でも」
彼女は顔を真っ赤に染めながら、千楓の事を睨んでくる。
「私、あんたの秘密を知ってるんだからね!」
「秘密? どんな?」
「これよ!」
彼女は自身のスマホを片手に、それを見せつけてくるのだ。
「え? な、なにこれ?」
そのスマホの画面上に映っていたのは、千楓が女の子の下着を手にしているところだった。
「あんたの、このヘンタイな写真を拡散されたくなかったら付き合って……付き合うというか、責任を取ってってこと! わかった、ヘンタイッ!」
「え、ええ……」
何が起きているのかわからないまま、千楓は半場強引に
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