6-5
目を開けると、
見上げる空は
ぱらぱらと、光の
最初は雪が降っているのかと思った。しかし、よく見るとそれは
「天の
寝転がった芙蓉がつぶやく。
そこは『大聖堂』の床だった。〈ミュトス〉が破壊されると同時に建物も壊れ、天の梯子と一緒に崩壊したのだろう。
「その通りです」
少女の声が聞こえた。芙蓉がゆっくり上体を起こす間に、石畳を歩く
セーラー服を着た少女――ギメルだ。
銀髪の天使が、夕焼けに照らされてきらめいている。外だからか、きちんと
「今回は
「
言葉とは
二人の周囲は、
夕焼けの赤に塗りつぶされ、長い影を落とす
「
「ごめん」
「きちんと反省してますか?
「気のせいだよ」
「……いいでしょう、わたしは許します。
そう言ったギメルの姿は、少しずつ
「大丈夫? 消えそうだけど」
「
半分ほど透明になったギメルが、芙蓉に
しかし、無理だった。
七色にきらめいていたはずの立方体は、ひび割れて輝きを失っていたのである。
「……ごめん」
「大丈夫です。自分でなんとかできますから」
消えかかり、透き通ったギメルが立ち上がる。
「いつか、また会えたらうれしいです。それまで元気でいてくださいね」
芙蓉が返事をする前に、天使はふわりと笑って
後に残された芙蓉は、大きく息を
何もかも終わった。この真っ赤な夕日が
遠くからトレーラーのエンジン音が聞こえてきた。
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