第3話 ハイスピードエトワール

 化石燃料から脱却し、新たなる燃料を確保に成功されたハイパーという新エネルギー。

 その動力を活かすように次々と近未来的な新マシンが作られた。

 時速500キロを超える次世代レース、NEXレース。

 最新技術による安全性と利便性を追求し、世界のレース業界は変わりつつあった。


 ──その最中さなか、物語の主人公でもある一人の女の子が急遽デビューすることに。

 ネットのレースゲームでの予選を見事に勝ち抜いたゲーマー、輪堂凛りんどうりんという新人レーサーであった。


 男勝りで元気印の浅河あさかわカナタ、控えめで謙虚な小町永遠こまちとわという同期に、大人な物腰のソフィア、人当たりが良くて天才肌の劉悠然りゅうようらんなどと現役たちとのレーサーとしての出会い。

 以降、どこへ行くにも欠かせない仲間となる。


 続いてアリスからクイーンの名が付き、今まで五年連続で首位を飾った絶対王者のキング、さらに一位と二位の座を守りぬくリチャード。

 他はハイパーの技術を組み込んだAIによる無人操縦車となっている。


 ──物語はレース前にコース全長の内容を詳しく教えてくれて、実況席にいるアナウンスの二人に話を戻す。


 ──そして白熱のレースがスタート。

 その喝采でamiという人工知能搭載のレーシングカーでレースをサポートしてるのに、初レースで大きくスピン、ネズミ花火のように高速回転する凛の有りさま……。

 スピン以外にスリップや曲がりきれずにコースアウトなど、はっきり言って凛のドラテクは超がつくほど下手である。

 周回遅れになっても普通に抜かれたと理解してなかったり、周回遅れなのにコースを空けず、ゴールする直前の一位を抜き去り、見事に反則と問題点も多い。


 元ゲーマーだからしょうがないが、こうまでリアルでの運転が出来ないと一位になりたいとかレースどころじゃない。

 おまけに精神的にも子供っぽく、ワガママな発言や周りが見えなくなったりと主人公らしからぬ行動も目立つ……。


 後に凛の運転はマニュアル走行が合ってることが判明し、一瞬だけ超スピードが出せるリボルバーストで大破したマシンの調整中に無人のレース場にて、トヨタのGT2000で練習を重ねるように……。

 エンストして難しいのも分かるが、自分で一段ずつ上げていくギアには癖になる魅力があるのも分かる。


 ──NHK紅白にも出場した大人気声優、水樹奈々みずきななのオープニング曲『ADRENALIZED』は彼女には定番のハードロック。

 サーキットの一匹狼を表したような歌詞に各キャラのマシンがレース場を走る中、サビでヘビメタ風にドコドコツーバスでレースへの臨場感と緊張感を高めていく。


 エンディング曲は久々なアニソンのガールズバンドのSCANDAL。

『ファンファーレ』という題材で凛のレーサーとしての気持ちに、軽快なロックが鳴り響く。

 そんな中、凛がサーキット内をヘロヘロになるまでジョギングし、最後にAIの運転する車にあっさりと追い抜かれる……これはギャグなのか? とツッコミたくなってくる。


 ──次回予告の後にマシンの軽い紹介、キャラデザ担当の藤真拓哉ふじまたくやによる書き下ろしイラストなどと最後まで目が離せない。


 ……とまあ、オリジナルアニメとしては中々面白いと思いきや、ネットでは批判の声も多い。


 レースにスピード感がない、キャラがVチューバーの成り下がりに見える、ド素人の凛が主人公でプロレーサーなのが謎、エンディング曲の方が質がよく、主題歌だったら……などと色々と叩かれ、さらに美少女ゲームのような女の子のレーサーばかりという設定もおかしいと今春最低の評価なアニメにもなった。


 確かにゲームっぽい雰囲気もあるが、ゲームを卒業した身にとって、もしレースゲームだったら、まず出会えなかった作品だろう。


 カーレースに詳しい人から観るからに明らかに不自然な作品と思われたのだ。

 昔、人気不調で打ち切りになったサイバーフォーミュラのパクリだという噂も流れている……。


 しかしながらマシンのデザインはカッコいいと思うし、マシンに映るスポンサーの多さからして、このアニメは想像以上の作品になるだろう。

 今後これからどう化けて行くのか、個人的には行く末が楽しみな作品でもある。

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