.

「……何か、朝岡さんの話聞いてたらあたしは甘ったれだなって思う……。」



「ははっ、そうか?

彩の親は理解あるって事やって。」





「──…そういや親って言えばね!!!!


うちのお母さんってば、朝岡さんの事すごく気に入ってたんだよ!!」





「え?マジ?」




「うん!!!!何かクッキー焼いてるから今度遊びに来てとか言ってたし、目がハートだったの!」





「あはは、それは言い過ぎやろ~」




「───ちがうの本当に!


あたしのお母さん、昔からすーんごいミーハーでね!?もうイヤになっちゃうよ!!」




母親について溜め息混じりに話す彩。




いつも俺を見て、照れたようにすぐ走り去って行くのが印象的で。



笑顔が可愛くて愛嬌があって。





「───彩のお母さんってすっげー若いよな。


彩とそっくりやし。」





「えー?!?!

それ何か喜んでいいのか複雑だよ~……。




────あ!♪




ねぇ、朝岡さんのお母さんは?



どんな人っ???」





「────…え?



………あ~……えーと……」




突拍子に言われて、ついつい詰まってしまった。



彩は何だか答えに期待しているようで、目がキラキラしている。




……どうしよう。




どんなんって、“過去形”になってしまうけどいいんかな。





「………………」





「……………?」





さすがに俺の行き詰まり具合を悟ったのか、彩は首を傾げた。

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