.

「ねっ、ねぇ朝岡さん!!

どこ行くの??」





「ひーみつ♪」







─────カチッ!






ヒラヒラと桜が舞う中、シルバーの車のロックを外す。






「いいから乗りって♪」




「う、うん…。」






───……パタン……。





「……お邪魔します……。」




「どーぞ♪」





おずおずと車内に入ってくる彩は、どこかよそよそしくて。



そんなに強張らなくても取って食いやしないのに、と思ってしまう。






「…………」






「────…彩?」






車が動き出して数分。




あまりにも固まって動かない彩に声を掛ければ、彩はハッと我に返ったようで





「……え……」





まるで俺が前にいることすら忘れているような表情で





「……どうしたん?」





「──…なっ…何でもないよ!!何でもない!!!!」




悪戯めいて顔を至近距離に近付ければ、君は真っ赤になってブンブン手を振っている。





なーんでそんな仕草一つ一つが俺のツボにハマるんかなぁ…。






「…………そ?


彩、コンビニ着いたけど飲むもん何か買って行く?」





「……えっ…うん……」




「彩の好きなミルクティー、あるといいな。」






……そんな君の頭を優しく撫でて先に車を降りた。





ほんのり赤く染まった頬を隠すように。

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