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マリアがフワフワと煙草の煙を浮かべ、キョトンと俺を見つめてなんかくるから、平静を保つのに必死だった。
「……あ、いや…
せ、せやな~。
アイツすげぇー空振りやなぁ…」
───って俺もですけど!!
……なーんて、死んでも言えない。
一時の焦りを隠せた事に、フゥと息を付いたのも束の間……
「───ははーん。
もしや、あれだね。
━━━純も空振ったとか?」
━━━━ブッ!!!!
心の中を読まれたようなマリアの推理発言に、盛大に吹いてしまった俺。
「……ビ~ンゴ。
分かりやすいね、純は。」
━━━━━シュボッ!
マリアは煙草を食わえ、フッと勝ち誇った笑みを俺に向ける。
「・・・・・・」
ニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべるマリアに、俺は苦笑いで応戦。
……何でコイツにいつもここまで心を読まれるんだ。
「──…ったく女子高生好きのロリは困るねぇ~」
「───は!?!?違っ…
お前な、ロリって何やロリって!!!!!」
「……んじゃオヤジ。」
「・・・・あのねキミ、言っていい限度ってもんがあるやろ、えぇ?」
「……ホントの事じゃん。そんな得体の知れない女子高生追いかけ回して何が楽しいんだか。」
「───ちょっ…
待て追いかけ回してないって!話を勝手に脚色するな!」
「えぇ~何なに!?!?
何楽しそうな話二人でしてるのっ!?!?オレにも教えてーっ!」
「あのねぇ純ってばねぇ…」
「───こらマリア!
お前そのドSどうにかしろ!」
───…今年も、仲間達の笑い声が響き渡る草原で。
俺はやっとの思いで手に入れたスタートラインに、ようやく立とうとしていた。
…──今年の、春は。
少しでもいい。
いつもより、君に近付けたら。
…───そう、願って。
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