短編小説集
律王
夢と現実
毎日夢を見る。ある日は宇宙飛行士となり広大な宇宙を飛び回り、ある日はプロスポーツ選手となって色んな競技でメダルを手にする。
その全てが誰もが一度は思い描き、そしてまた別の夢の中に捨ておいたもの。
夢の世界を旅するほどに、現実の世界を疎ましく思う。自らの不遇な現実を嘆き、悲しみ、そしてまた夢の世界へと深く潜る。
毎日夢を見る。ある日は宇宙飛行士となり広大な宇宙を飛び回り、ある日はプロスポーツ選手となって色んな競技でメダルを手にする。
その全てが誰もが一度は思い描き、そしてまた別の夢の中に捨ておいたもの。
夢の世界を旅するほどに、現実の世界を恋しく思う。望めばなんでも手に入る世界に生き、何の苦労も存在しない。しかし、どこか色褪せて見える世界。
私は、夢と現実の狭間で考える。
どちらが良いのか。
苦痛に満ちるが、だからこそ手にしたものは輝き、色に満ちる世界。
苦痛など存在せぬが、手にしたものは何の思い入れもなく、色褪せた世界。
そして気付く。どちらもが不要で、どちらもが必要なのだと。
現実に生きるから夢を描き、夢に生きるから現実を描く。
夢の先に現実があるのか。
現実の先に夢があるのか。
その問いに答えぬまま、また眠りにつく。
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