あらすじ

第1話

幼い頃に観たヤンキー映画の影響で、ヤンキーに憧れる松尾まつお美波みなは、自分だけの番長に、自作の特攻服を着てもらうことを夢見る高校生。ある日通り魔に襲われた瞬間、美波は蒸気機関の発達した異世界に召喚される。ヨーロッパ風の街並みに、霧のように立ち込めた蒸気、至るところにパイプと歯車が溢れた不思議な世界。


召喚士の集団に「生贄」として殺されかけ必死に逃げていた美波は、スチームバイクを乗り回し「不良侯爵」と名高い、レオン・アスター侯爵に助けられる。帯剣した召喚士の集団を一人で、ヤンキーの喧嘩のごとく拳で殴りつけながら倒してしまったレオンの強さと迫力に、理想の番長像を重ねて衝撃を受ける美波。


レオンのスチームバイクに乗せられ城に連れ帰られた美波は、レオンに押し倒されてしまう。赤く変わったレオンの瞳に驚く美波。レオンは吸血鬼ヴァンパイアで、美波の血の匂いに惹かれていた。そしてレオンの城は、住む者全てが吸血鬼ヴァンパイア吸血鬼ヴァンパイア城だった。


吸血鬼ヴァンパイア達曰く「甘い」血を持つが故に、意図せず彼らを惑わせてしまいさんざんな美波だが、城に留まることを決意する。目的は理想の番長であるレオンに、特攻服を着てもらうこと。


元の世界とは異なる異世界で、困難に直面しながらも、レオン含めた周囲の吸血鬼ヴァンパイア達を巻き込みつつ、時に彼らとの仲を深めつつ、夢の実現のため特攻服の製作を進める美波。


一方で、レオンが召喚士達を王室近衛兵に突き出したことにより、召喚された異界人・美波の存在は女王の知るところとなっていた。やがて警戒を強めた女王の命で、王室近衛騎士長でレオンの兄でもあるギルバートが派遣され、誘拐された美波はギルバート監視の下幽閉される。レオンに救出され城に帰るも、ギルバートは「美波に危険がないか確かめる」と再び城にやってくる。


美波に迫るギルバートを加えて、6人の吸血鬼ヴァンパイア達に囲まれる美波。やがてギルバートは「美波に危険はない」と女王に報告することを約束し、衝撃の事実を告げると、近衛騎士団へと帰っていった。美波は事実を受け止め、自分の生きていく世界を決断する。

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