第34話

ガチャッ





「おじゃまします…」


「どうぞ。こっちの部屋で待っててもらっていいです?」


「あっ、うん。てか、手伝うし…」


「ひとりでできるんで」


「…わかった」





そんなに




全部ひとりでやろうとしなくていいのに…










ガチャッ





「応接室?笑」





広すぎねぇ?




お父さんと二人で住んでんだろ?









お父さん… 何もんだよ… 笑









ガチャッ






「どうぞ」


「あっ、いいの?俺の分で減っちゃうんじゃ…」


「お父さん、今日はご飯いらないんですけど、クセで作りすぎちゃいました。なので、ありがたいです」


「ご飯、作れるの… 器用だね」




見えねぇのに…





「冷蔵庫の中、点字で分別されてるんで、食材はわかります」


「買い物とかどうすんの?」


「お手伝いさんが週に一度来てくれて、買い物とか掃除してくれるので。あとは、お父さんが買い物に…」






お手伝いさん… 笑






「掃除とか… 広すぎてひとりで出来ねぇな。笑」


「私も、だいたいは家事できるんですけど、

やっぱ人よりも時間がかかってしまうので…」


「ムリしてやらなくていいと思うよ?」








ほんとに







見てると









守りたくなる

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