第25話

ハァッ… ハァッ…



「ゆなちゃん!」



『ハァッ…大丈夫…』


「どこ苦しい?」


『ハァッ…ん…すぐ… ハァッ… 治まるから…』



手の震えが…止まらない…





ギュッ



へ?




「ゆっくりでいいよ


大丈夫だから


ゆっくり息して?」




ハァッ…



なんか、安心する…





『ハァッ…』



「辛いね…大丈夫だから」



『ん… ハァッ…』





隆矢くんの腕のなかは


すごく安心できた…





いつまで抱きしめてくれるんだろう

できればこのまま… 時間がとまってくれればいいのに






『ん…大丈夫…』


「落ち着いた?」


『うん…』



「帰ろうか。立てる?」


『ん』






彼は足がふらつく私をしっかり支えてくれている…








2回も目の前で倒れたのに…


何も聞かないんだね…




本当に、



優しい人なんだなぁ





「ん。着いた」


『ありがとう…』


「うん。こちらこそ…」


『隆矢くん…ちょっと…上がってかない?』


「えっ?」


『話したいことあって…』


「うん…」

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