第7話 東風によるダンジョン講座

「あれ、先生は?」

「休みじゃね?」

「もしかして自習じゃね?」


「いえ、ちゃんと先生はいますよ。この教室の中に。」

と、水次先生が言って、僕が黒板の前に立つ。


「え、まじ?」

「東風谷がやるの?」

「神授業じゃね?」


「ごうれーい」

というと、戸惑いながら日直が号令をかける。

「き、きりーつ」

「気を付けー」

「それじゃ、いまから3時間目の探索をはじめまーす。」

「「「「「おねがいしまーす!」」」」」

「ちゃくせーき」


「で、えーと、僕がここにいる理由なんですが、水次先生から頼まれたからですね。初回の授業だけ水次先生が僕の席にいますが、2回目からは職員室にてめんどくさい仕事を終わらせるそうです。つまりは忙しいからです。」


「まじ!?」

「本当!?」


「はい、まじです。信じれないなら水次先生に後で聞いてください。それじゃ、授業をはじめまーす。」

「ノートは取っても取らなくてもいいですけど、取った方が後々振り返りやすいので用意した方がいいですよー。」


そう言うと、ほとんどのクラスメイトがノートを用意する。


「で、えーと、授業方針ですけど、授業態度は普段の授業で寝てないかとかをみます。んで、毎週金曜の4時間目にちょっとしたテストを学校付属のパソコンでして、その点数を成績に反映します。点数が低くても授業態度がよければ3はとれますよ。宿題とかはだしません。作るのが面倒なので。」


「あれ、テストはめんどくさくないんですか?」


「んまぁ、ちょっと試作してみた感じ、普通に楽しかったんで大丈夫です。」


「パソコン勝手に使ったりして大丈夫なんですか?」


「水次先生に許可とってるので大丈夫です。」

「それじゃ、前回の続きからはじめましょうか。えーと、前回は、ダンジョンは大きく分けて4つに分けられるんでしたね。

簡単な方から、初級、中級、上級、特級みたいな感じで。」


黒板に右から初級、中級、上級、特級と横並びに板書する。


「今日は、それぞれの特徴について説明していきます。まず、初級。初級ダンジョンは、階数が少なく、出てくるモンスターも強いやつはいません。そして最大の特徴としてはボス部屋から逃げることが出来ます。僕が逃げろーって言われた理由の一つですね。」


初級の文字の下に、特徴を書いていく。


「次に中級。階数は初級よりちょっと多いぐらい。基本的にモンスターは初級ダンジョンの強化版みたいなのが出てきます。例えば、ゴブリンナイトとか。そして、中級からはボス部屋からは撤退できません。普通は。ワープ系の能力があれば、話は別ですね。」


中級の文字の下に、特徴を書いていく。


「んで、上級。階数は中級の2倍ぐらい。トラップとかがそこら辺にあって、中級までは見たことがない奴らが出てきます。ドラゴン系がその代表例ですかね。ボス部屋の諸々は中級と同じです。」


上級の特徴も書いていく。


「んで、最後。特級。こいつは一般公開がされてなくて、政府から直接許可をもらわないといけないんだよね。理由としては、上級までとは桁違いで死の危険があるから。分かりやすくやばさを伝えると、常に毒霧が出てて1分に一回震度7の地震が起きててそこら辺にドラゴンが飛んでるって感じだね。ちなみにドラゴンは僕が200人いてやっと1体討伐出来るかどうかぐらい。それが100階層ぐらい続くらしい。んで、やっとの思いでボス部屋まで到達しても、ボスがくっそ強いらしいし、どんな手段を投じてもボス部屋からは出れないらしい。能力含めてね。この情報を持ってきた人は一体何者なんだろうね?」


特級の特徴を書き終わると、チャイムが鳴った。

「それじゃ、ごうれーい」


「きりーつ」

「気を付けー」

「ありがとうございましたー」


授業が終わると詰め寄られたが、再び適当にはぐらかした。ちなみにこの時クラスラインに人生で初めて入った。


そして、時間は流れて家に帰った。



...なんかスマホが騒がしいな?

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