第2話

たった今、横断歩道を渡ろうとしていた私の目の前で、事故が起こった。





車と自転車の接触事故。




私の向かい側から横断していた自転車と、

それに気づかなかった車両がぶつかった。




あろうことかその車両はぶつかったにもかかわらず、

そのまま当て逃げをしてしまった。





咄嗟の状況に焦りつつも、自転車の持ち主の元へ駆け寄った。




「大丈夫?動ける?」



「…痛い、」




痛いと言いながら足を抑える自転車の主人は、

まだ小学生の幼い少年。




抑える右足からは、血が流れているが、

そこまでひどくない。




誰か周りにいないかとあたりを見渡す。



住宅が多くあるこの場所だか、

平日ということもあってか人一人見当たらない。

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