第6話
夕暮れの散歩道
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長い、長い、野原の道を越える
小さな子供と一匹の神獣がゆく
ふたり仲よく影を伸ばして歩く
夕暮れの散歩道――――………
ふぁー。もう夜かぁ…早いなぁ。
時間が立つのって……早いね…!
「ねぇ、チャッピィ…。」
「キュピ?」
わたしは、両手をうんと広げて、のっぱらに、寝っ転がった。
「わたし、将来、天国と地獄、どっちに行っちゃうのかな?」
「?」
幼い頃からそうだ。
物心ついたっきから、天国と地獄について、
夜な夜な母の懐で、泣いて、眠ったっけな。
何故、眠れなくて、そんな値つきの悪い自分が怖かった。
何故か、生まれたばかりにして死んでしまったらどうなってしまうのか。
そればかり夜中は不安になって妄想に暮れた。
絵本を読んでもらっても、
ビデオを見て気を紛らわしても、
夜10時を過ぎるまでゲームをしても、
……何かに哀愁心を握られていた……
そして、誕生日を迎え、大人に成長する度に
人との関わり方が解らなくなってきちゃって、いつしか不安定な心になってしまったんだ。
ねぇ。天国と地獄って、本当にあると思う?
そこって、どんな居場所なのかな、怖いかな?
身体が大きくなっても、わからないや……。
夕暮れの散歩道。
それはキラキラ煌びやかに光る。
救い手の様に伸ばした幼い掌は。
夕陽に届く事はなかった。
とても、私には、輝いて見えたんだ。
そう、『憧れていんだ。』
夕陽は、たいせつな思い出に変わり、胸ポケットにしまいこむのでした――――………。
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