クリとりしゅう

あきかん

ネトリ漫才 クリとりしゅう

 出囃子が鳴り響き照明が灯る。舞台の真ん中に布団が敷いてあり、その脇には大きめのバックが置いてある。

 舞台の両端から2人の少女が小走りに出てくる。


ヒメ『どうも、姫野りしゅうです』

アキ『秋野そらです。よろしくお願いしまーす』

ヒメ『まあ、世の中ね。興奮することいっぱいありますけども、1番興奮するのは彼氏の射精が遅い時だな』

アキ『間違いないね』

ヒメ『うん。じゃあちょっとわたしが彼氏役やるね』


 2人はパンツとショーツを脱いで布団の上で重なりあった。


アキ『いやー、オセーな。チンコつっこんでから1時間経ってるな。腹立ってきたなー。ちょっと前立腺刺激しとこーか。ピッ』

ヒメ『ピクピク』

アキ『お、来た来た来たおい』

ヒメ『いやぁ、イキそうだったよー』

アキ『じゃねえよバカヤロー。挿入してから1時間だよ、1時間』


 アキが起き上がり、布団の上でヒメと向かい合う。


ヒメ『すいません、ちょっと迷っちゃって』

アキ『迷うって、腰ふって射精するだけじゃねーかお前は』

ヒメ『いや、イクかどうかで迷っちゃって』

アキ『そこ迷うな。今まで演技だったのお前?すげー腹たってきたよこっちはよお』

ヒメ『違う違う。この後セクキャバ行くか風俗行くか迷っちゃって』

アキ『最悪だな、お前』

ヒメ『アキちゃんが想像しているのとは違うよ。どっちに出勤するか考えていただけだから』

アキ『何でだよ!』

ヒメ『この前、お店に行った時にネトっちゃったんですよ』

アキ『女の子を?』

ヒメ『店長を』

アキ『店長かよ』

ヒメ『はい』

アキ『なんで店長をネトってんだよ。訳分かんねーな』

ヒメ『はい、すいません』

アキ『こっちはよう、まだイケてねえの。続きやんぞ早く』


 そう言って、アキは布団を叩いた。


ヒメ『です。お願いします』

アキ『なんで今コンビ名言ったんだよ。確かに言うの忘れてたよ。でもネタに入ってんだからそのまま流せよ。オッセーんだよほんとに』

ヒメ『それでは挿入いれさせていただきます』


 ヒメは頭を垂れる。


アキ『おい、ちょっと待てよ』


 アキはヒメの両肩を押さえて言った。


ヒメ『はい?』

アキ『1時間以上ヤってたんだ』

ヒメ『はい』

アキ『今度はわたしに挿入いれさせろよ』

ヒメ『なんすか、なんなんすか?』

アキ『じゃなくて1時間以上ヤってたから、今度は挿入いれさせろっていってんの』

ヒメ『あ、うわっ!うぅぅ。ピュッピュッ』


 ヒメが股に手をやる。


アキ『おおい、どうしたどうしたどうした?』

ヒメ『イッちゃった』

アキ『じゃないんだよ。やめろ気持ちわりーなお前。どうしたんだよお前。チンコ入れてる時はイカなくて、何で入れられる事を想像しただけでイッてんの?』

ヒメ『でも、準備できたよ?』

アキ『、じゃねーよそんなこと。今までのセックスなんだったんだよ。てか、ヒメ。もしかして本当にイッちゃったの?』

ヒメ『そんなこと言われても僕、淫乱ビッチなんで』

アキ『ビッチかなんか知んねーけど、こっち1時間以上イけてないんだよ、なんとかしてくれよヒメ』

ヒメ『でもビッチですから、ネコかタチしかできないです』

アキ『できてるよ。十分できてるわ。両刀使いだったのかよ』

ヒメ『特殊プレイは無理です』

アキ『特殊プレイは求めてねーよ。それじゃネコでお願い』

ヒメ『はい。ネコで』

アキ『久しぶりだよ、攻めるの♬』


 脇に置いてあるカバンを2人で漁る。アキはペニパンを。ヒメはコスプレセットを取り出した。


ヒメ『にゃ~』

アキ『おおーい!ちょっと待ておい』

ヒメ『はい、はい』

アキ『ネコ違いだよ、これ』

ヒメ『え?』

アキ『いや、このペニパンをヒメの中に挿入させてくれって頼んだんだよ』

ヒメ『はい?』

アキ『これお前、ネコちゃんプレイ。ネコ耳カチューシャなんであるの?尻尾バイブをアナルに入れようとしないで!』

ヒメ『あ、ネコアレルギーでした?バニーもありますよ?』


 ヒメがバニーガールのコスプレセットを両手に掲げた。


アキ『じゃないんだよ。コスプレエッチは特殊プレイじゃねえのかよ。コスプレ』

ヒメ『童貞?』

アキ『童貞じゃねえよ。そもそも女だよ』

ヒメ『はい』

アキ『もういいから挿入いれさせろよ』

ヒメ『あ、あのアキさん。失礼ですけど、挿入れるのは駄目なんです』

アキ『やかましいわ。今さらなんなのお前』

ヒメ『すいません』

アキ『今までもやってたじゃん。なんで今日は駄目なんだよ』

ヒメ『じゃあ、ちょっと確認します』

アキ『どこに確認するんだコラ』

ヒメ『あ、もしもしお疲れ様です姫野です。今、二丁目の秋野さんのとこにいるんですけど、「挿入いれさせて」って言われて』

アキ『誰だよほんとによお』

ヒメ『はい。はい。僕ちゃんと駄目って言いました。店長』

アキ『店長って、あのヒメがネトッたセクキャバと風俗の店長かよ』

ヒメ『じゃあ、あのーオプション料金を貰えるなら大丈夫ということで』

アキ『もしかしてお金取るの?1時間前の分も?』

ヒメ『はい』

アキ『取るのかよお前。じゃあもういいよ』






2人『どうも、ありがとうございました』


 2人は立ってお辞儀をした。それに合わせて暗転。2人は舞台袖に引き上げて行った。

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