第38話 幻想装備たちの不思議なダンジョン攻略―5

・エクスカリバーの言葉に続くかのようにアロンダイト達も行動を開始する。

タワラたちは食器をまとめて迅速に片付けを済ませ、戦列に加わるべく陣営の外へと赴く。

野外では各所が慌ただしく一部のメンバーは既に戦闘状態へと移行し、魔物たちと戦い始めている模様。


ムラマサ:

「大混戦間地かって感じだな・・・」

クサナギ:

「黒幕側の思惑通りという所かな?」

エクスカリバー:

「そうとも限らないよ」


・クサナギの言葉に答える様にエクスカリバーが応じる。


デュランダル:

「その理由は?」

エクスカリバー:

「もし、この奇襲が黒幕の考え通りならなんでわざわざゴブリン達“だけ”を投じているのかだね」


・その言葉にムラクモとジュワユースは視線を戦線を掛けている魔物達へと向けた。

有象無象の軍勢はそのほとんどがゴブリンである。

無論、幾つかゴブリン共々よく目にする魔物も少なからず確認できたがそのほとんどが魔物の上に騎乗するゴブリンライダー含めてゴブリンを中心としたある意味ではゴブリンの大軍団と言えよう。

・しかし、それだけだ。

一般のゴブリンは悪知恵が働くが“それ以上”の行動は考えに及ばない。

言うなれば相手の言うことつまりは命令には従うが自分から率先して軍団的な行動などは取らないからだ。

無論、群れ的な意味での襲撃などは出来るがそれはあくまでも本能的な意味合いで役割を実行しているに過ぎない。

そんな彼らが率先して自らこうも大侵攻を掛けているのを考えれば・・・・・・・


バルムンク:

「捨て駒にされたか」

ガラティーン:

「黒幕的にはワタクシ達の行動が想定外と見るべきですか?」

アロンダイト:

「そればかりは当人に聞くべきか」

エクスカリバー:

「そう、だからこれから突入するよ」


・その言葉にその場にいた全員がエクスカリバーの方へ視線を向けた。

皆の視線を浴びながら一瞬、テレる様な仕草をしたエクスカリバーだがすぐに表情を真剣なまなざしで口を開く。


エクスカリバー:

「まずは戦力の大多数はこのままゴブリン達への迎撃をお願いしたいけどもジュワユース、良いかい?」

ジュワユース:

「指揮を執るのは構わないが突入メンバーは?」

エクスカリバー:

「まずはボク。言い出しっぺだし、リーダーとして全うするつもりだよ」


・ジュワユースの疑問にエクスカリバーはそう答えるとアロンダイトとガラティーンは不安な表情を見せるがエクスカリバーは大丈夫大丈夫と応えそのまま話を進める。


エクスカリバー:

「一緒に付いて来てもらいたいのはアロンダイトお願い出来る?」

アロンダイト:

「私が?」

エクスカリバー:

「最強の騎士が持っていた魔剣にして聖剣の実力、期待しているよ?」


・満面の笑みでアロンダイトに期待の表情を向けるエクスカリバー。

これに応えない訳にはいかないと気を引き締めたアロンダイトは力強く頷く。


アロンダイト:

「わかりました。泉の騎士が保有せしアロンダイトの名に賭けて!!」

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