第20話 刀匠ムラマサの鍛冶素材探し―10
・リザードマンらの疑念と疑問は最もだ。
・刀の鋳造を知らない彼らにとっては願ったり叶ったりな状況で
ある以上、上手く行き過ぎているきらいがある、と思うのは
深読みとは言い切れない部分も確かに存在するのは事実。
・無論、ムラマサも彼らの疑問や懸念などは把握しているが
だからこそ彼らに提案したのだ。
ムラマサ:
「そちらの疑問などは最もなのは重々承知しているつもりだ。
だからこそ俺はアナタ方の問題を解決したいと思い、この提案を
させて貰っている・・・無論、すぐには難しいかもしれないが
同じ刀作りを行っている者への不満や問題を解決したいという気持ちに
嘘偽りはないことは知っていただきたい――――」
リザードマンA:
「お気持ち感謝いたします。ですがこのまますんなりと受け入れるというのは
我々の沽券や面子などもございます―――――故に・・・・・・・!!」
・そう言うとリーダーのリザードマンは腰に差していた獲物に手を伸ばす。
・彼の腰に差しているのは彼らが鍛えた刀だ。
・しかし、抜いた彼の切っ先は無かった。
ムラマサ:
「この刃先はアナタの刀のだったのか・・・」
リザードマンA:
「左様・・・刀が折れたことは我が腕の未熟として恥ており、同時により良き
素材さえあれば、という願望も抱き、我らはここに参った次第です」
・その言葉に彼の後ろにいたリザードマン達は無言で頷いた。
・それを確認したリーダーのリザードマンは折れた刀を構える。
ムコツ:
「どういうつもりだ?」
リザードマンA:
「ただ単純に申し出を受けるのは容易い。しかし、それでは我々の戦士としての
矜持が赦すことはできない――――故にムラマサ殿、一手お相手頂きたい次第にて」
ムコツ:
「そんな折れた刀でか?」
リザードマンA:
「この刀は我が魂を込めた物・・・例え切っ先が欠けていようとも完全に折れぬ限りは
我が意志ともども、不滅・・・!!」
ムラマサ:
「―――――――」
・その覚悟を受け取ったのか、無言で刀を納めた鞘を持ち、構えるムラマサ。
・これ以上の問答は無用、あとはもはや“剣で語ること”以外は不要。
・鍛冶師であり、同時に剣士の魂を有するムラマサはそんなリザードマンの心意気を
買い、その在り方に応じたのだ
・それに対し、リザードマンのリーダーは感謝の意を示す。
リザードマンA:
「かたじけない―――――――いざ!!」
・そして――――――両者の一瞬の一騎打ちが始まる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます