第19話 刀匠ムラマサの鍛冶素材探し―9

・ムラマサの言葉を受け、リーダー格のリザードマンは仲間の方へと向き合い、

彼らと会話を交わしていた。

・「少し、仲間と話がしたい」ということで先ほどからリザードマン達だけで

話し合っていた。

・彼らのみで話している為か、ムラマサとムコツには会話は聞こえなかった。


ムコツ:

「なに話してるんでしょうね?」


ムラマサ:

「さあな―――――だが、こちらにとってもあちらにとっても有益なことに繋がるとは思うがな」


・一抹の不安がない訳ではない。

・だが彼らが“探求者”であることは先ほどの会話でわかっている。

・例え一戦交えることになったとしてもそれは恐らく―――――


リザードマンA:

「お待たせした」


・話し合いが終わり、リザードマンらがムラマサらの方へと向き直す。

・ムラマサはリーダーのリザードマンに対して言葉を掛ける。


ムラマサ:

「話は付きましたか?」


リザードマンA:

「ええ、アナタの言葉を受けてアナタなら我々が抱えている問題に光明を見出してくれると判断した。」


・続く様にリザードマンらは話を紡いでいく。


リザードマンB:

「お察しの通り、我々はカタナを造るべく、良質な素材を欲してこの坑道にまでやってきた。」


リザードマンC:

「しかし、ここの鉱山町の人間たちとは折しも勘違いに近いすれ違いが起きてしまい、彼らを追い出す様な形になってしました・・・」


リザードマンD:

「更には他の魔物たちも好都合とばかりにこの鉱山内に入り浸り始め――――」


ムコツ:

「そいつらは俺様たちがぶっ飛ばしたぜ」


・ムコツの言葉にムラマサは頷く。

・それに対しリザードン達は深々と謝辞を込めた頭を下げた。


リザードマンA:

「誠にかたじけない―――本来ならば我々が付けねばならなかった不始末故に・・・」


ムラマサ:

「気にしないでいただきたい。こちらとしても鉱山の魔物退治は目的の一つでもあったのでな」


・そして話題を本題とするべく、ムラマサは彼らに向けて言葉を紡ぐ。


ムラマサ:

「本題に入らせていただくが――――まずはこの鉱山から立ち退いていただきたいの第一になるがそちらに何の見返りもないというのはあまりにも条件としてもよろしくない。そこで――――こちらが仕入れる予定のミスリルと刀の鋳造方法を提供する、というのはどうか?」


リザードマン達:

『!!!!』


・ムラマサからの提案に驚きを隠せないリザードマン達。

・不法占拠に近い為に実力行使での退去も覚悟していただけに意外な解決案に予想外の不意打ちを受けたという印象となっている。

・彼らにしては願ってもないことだが―――――


リザードマンA:

「ありがたい申し出ではあるがそちらも必要なのであろう素材をいとも簡単によろしいのか?」

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