第39話挑戦しよう
「はずいな」
おれは一人、自室でぼそっと独り言を呟いた
すっごい力説しちゃったな、まぁ、これで澪も少しだけ天文に興味を持ってくれたら嬉しいけど……
そんな事を思っていると、スマホから一つの通知音が鳴り響いた
お、後10分後に着く予定か、澪は自室で宿題してるらしいから普通に電子ピアノとスピーカーを宅配からもらっても大丈夫でしょ
この宅配が筋トレ用具だと錯覚させる大作戦も1日だけ実践しても錯覚されるはずないし、これでたまたま澪の部屋から出てきたら普通に詰むな
そんな事を考えながら英語の課題とにらめっこしていると
ぴろん
文法が全く理解できてなく、ただ、ワークとにらめっこしていた時間は一つのスマホによる通知音で完璧に集中が切れ、1階に降りた。
通史の内容は、もう少しで着くということ
宅配の人にインターホン押されると普通にだるいので、先に外に出て待っとこう、そう思い外に出た。
「あ、来た」
外に出ると、宅配のトラックは50メートルほどの距離にいた。
「一仕事頑張りますか」
ほんの少し気合を入れ、宅配が家の前に来るのを待った
「お届け物です、重いので気をつけてください」
「はい」
「サインをお願いします」
おれは『ここで良いですか?』と確認し、宅配の人に指を刺されたところに名前を書いた
「ありがとうございました」
運転手は直ぐにトラックに乗り、走り去ってしまった。
「頑張ろ」
おれは独り、月明かりが眩しい夏の夜、そう呟いた後ダンボールを持った。
持った感想は少し重たかったが、これからの楽しみが勝り直ぐに自室に運ぶことができた。
とりあえずセッティングは完了したけど、一旦勉強から入らないとな
おれはパソコンで作曲初心者 コツ
そう調べてみた
「初心者は歌詞から書いたほうが良い」
なるほど、歌詞……なんも思いつかねぇな、このサイトは歌詞から書いたほうが良いって言ってたけどおれはメロディーとかコードから書いたほうが良さそう、そのメロディーとか聞いて歌詞が浮かんでくるかもしれないし
「テーマを先に考えろ……確かに」
テーマはどうしようか……テーマはおれは自分が書きたい曲のイメージを言語化すれば良いのかな
おれはそう思い自分の頭にあった曲のイメージを言語化することに挑戦した。
初めてってこともあり中々言語化する事ができなかった
夏関係にしたいよな
「……むずいねぇ」
ずっと考えた
外で鳴っているコウロギだろうか、鳴く虫の声なんて耳に入ってこなかった
集中したおかげか、なかなか疲労感は来なかった
そして、ついに言語化に成功した
夏祭りでたくさんはしゃぎ、好きな女の子が見せた笑顔で更に好きになっちゃう……みたいなイメージで良いかな
だとしたら、1番はテンポを早くして、主人公と好きな人と楽しみ、2番は彼女の笑顔で更に好きになるから、1番よりBPMを10ぐらい増やそうかな
おれは曲のテーマをメモり、コード進行について考えた
そもそもコード進行ってなんだよ
おれはパソコンで調べてみた
和音の事なのね、和音ぐらいはおれのでもわかるけど、ドミソとか、二つ以上の鍵盤を押して出す音じゃなかったけ
てことは、コード進行ってのは和音の進行って言い換えれるのか
で、その進行にも色々名前がついてると
サビ前とかで変えないといけないのね
調べて思ったけど作曲者さん達ちぇ本当にすごいんだな、どんぐらい努力したんだろうか
てか、おれももう少しでくくり上は作曲者になるのか
「がんばろ」
◆◆◆
「うーん」
昨夜はピアノの勉強したいって言われて少し納得したけど、急にしたいって普通なりますかね?
夏休みだから時間はあるけど……
私は昨夜いつも通り蒼君の布団で寝ようとしたら何故か机の上に電子ピアノが置いてありました
なんであるんだろうって思って聞いてみたら、蒼君は勉強したいとか言ってベランダで天体観測始めるし
「私もそろそろ準備しよ」
咲茉ちゃんの家は徒歩10分ぐらいの所にあります
咲茉ちゃんに褒められたんだし自信を持とう
私は勢いよく玄関を開けました
「よく来たね、どうぞ入って入って」
「失礼します」
相変わらず、咲茉ちゃんのお家は凄いな……って、違う、今日は遊びに来たんじゃないんだから
「もうセッティングはすめせてあるから、後は澪ちゃん待ち」
私の心臓は緊張という怪物により激しく鼓動していました
落ち着いて、
「もしかして緊張してる?」
「まぁ」
「だったらさ」
咲茉ちゃんはニヤリと笑いこう言った
「頭の中の蒼君に応援されてるって妄想すれば」
「っは、確かに」
『澪がんばれ、澪だったらできるさ』
『頑張ったら、たくさん甘えさせるよ』
ありがとうございます、脳内蒼君
「えー、まじで効果ありなんだ」
「よし、いきましょう」
私は初めて自分から大舞台に立とうと思う
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