第34話大きな買い物
「てか、2人は宿題の進捗どうよ」
3時間ぶっ通しでしたので少し休憩していたら久則が夏休みの宿題について聞いてきた
「数学は終わった」
「早いね」
「因み応用まで終わらせたぜ」
「それはすごいな」
「基礎だけじゃないの?応用まで済ませないといけないの?」
康太郎は焦ってるんだろうな、康太郎は英と国はずば抜けてるのに、数と理はカスだもんな
そんな康太郎からしたら応用なんて避けたい物ランキング上位に食い込むだろうね
「基礎だけで良いけど、応用もしといた方が自分のためになるから、しただけ」
「これだから数学好きは」
「別に良いだろ」
数学とか、化学が好きな人が変人扱いされるのやめてほしい
「っあ、ごめん、そろそろやめるわ」
「はいはいー」
康太郎はパーティーから抜け、おれと久則だけになった
「どうする?デュオでもする?」
「うーん……」
久則は少し考え言った
「おれは宿題をするよ」
「わかった」
「じゃ、明後日の部活で」
あ、明後日から再開か
「はいはい」
おれの画面には先程まで3人写っていたが、今では1人しか写っていなかった
おれは……副業について調べるのが先だな
最初は自分の特技の物と関係がありそうな物を調べるか、おれの特技といったらやっぱり音ゲーが一番最初に上がるな
だとしたら、作曲してみるってのもありだな……てか、普通に作曲してみてー
作曲した曲をヨウチュウブにアップロードして再生数10万とか行ってみてー
ヨウチュウブとは、全国全世界で愛されている動画配信サイトで、最近では保育園生でもお母さんのスマホを借りて見るぐらいに親しみられている
おれは作曲に必要な機材を調べてみた。
えっと、パソコンはあるからいいとして……DTM?DAWソフトウェア?なんそれ
おれは意味わからない英語3文字を詳しく調べてみた
DTMってのはデスクトップミュージックの略で、ギターとかピアノを演奏して、その音をソフトに書き出してくれると、音を電気信号に変換する装置ってことか
んで、DAWソフトウェアってのがDTMが電気信号を書き出すソフトウェアってことか……値段はどんぐらいなんだ
おれは作曲機材にかかる値段を調べてみた
『2060年版初心者おすすめコスパ良き機材セット』
おれはそのサイトを見てみた。まだ全然知識がないのでとりあえずどんぐらいかかるのか知りたかったから
無料のDAWソフトもあるんだ……いや、澪のためにこれは先行投資だ、性能はいいのが……
「はぁ!?」
おれのパソコンに表示されていたのは4万という数字が書かれていたから
おいおい、マジで言ってんのか、初心者おすすめとは何なんだどう考えても初心者おすすめの値段じゃないだろ
おれは初心者オススメって書いてあったからてっきり2万ぐらいかなって思っていたのに、蓋を開けてみたら2倍の値段……これも先行投資の一貫と考えれば痛くないか
コンコン
やべ
おれはドアのノック音が聞こえた瞬間直ぐにAltとTabボタンを同時押しした。
「大丈夫ですか?大声出してましたけど」
澪は心配そうな眼差しで見ながら聞いてきた
手にはシャーペンが握られてるから勉強の途中だったんだろう
「大丈夫、ゲームでちょっとね……」
「なんだ……じゃあ何もないということですね」
「うん、心配かけてごめんね」
「いえいえ…それでは」
危ねー
おれはドアが閉まったのを確認してからさっきのページを開き直した
後は電子ピアノとスピーカーか、ヘッドホンはあるからいいとしてこの2つはどうしようか、隠すのも取り出すのもめんどくさそうだし
「一旦メモるか」
おれは必要な機材と値段をメモし、別な副業を調べてみた。
いくつか調べてみて一つ目に止まったものがあった
「小説……」
考えてみろ、おれは国語カスなんだぞ、見てもらえるわけがない
「クソが」
澪の誕生日までに10万は稼ぎたい、誕生日まではあと3ヶ月と20日ぐらいか…鹿児島のバイト月収が2万ちょいと仮定してやると、6万6000ぐらいにはなるとして後3万4000はどうするか
おれはヨウチュウブで3万6000稼ぐにはどんぐらいの再生回数があればいいか調べてみた
ジャンルごとに1再生で得られるお金は違うんだ、ボカロはどんぐらいかな……0,1円か……無理じゃね?
1再生0,1ということは36万回再生されないと無理ってこった。
仮におれが出すボカロがめっちゃバズったりすればワンチャン行けそうだ
「やるかぁ?」
期限はまぁまぁある、これで行かなかったらお父さんに土下座してお金を貰えばいい話だが……プライドが許さないね
おれはネット通販で調べたものを買った
初めて、購入画面のクリックが重く感じた。もう一生感じることがない重みだった
神様、おれに味方してくれよ
これでバズったら普通にたくさん出してみるのもありだな……バズればの話だけど
おれは1階に降り冷凍庫からアイスを取った
いつもより冷たくひにやりと感じたアイスはおれの精神を癒やすには完璧すぎるものだった
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