第31話黒の女神は意識しちゃう
……私も一応中学校で保健で学んでいたので少しはそっち系の知識はあります
お、男の子のあれが興奮したらどうなるかぐらい知ってます
蒼君は私の事を女の子として見てくれてるんですね
結婚したら……あれが私の、か、体にっ
「……澪、大丈夫?」
「は、はい大丈夫です」
全然大丈夫じゃないよぉ……
私は考えるたびに体が熱くなってきます
「澪、その、おれのあれを見ちゃった?」
だ、だめぇ、私の体が更に熱くなっちゃう
話題を変えないと私の理性が乗っ取られちゃう
人生を15年生きてきて初めての感覚に私は少し、恐怖を覚えました。
「そ、そんなことより今日は何が食べたいですか」
「……うどんでお願いします」
「わかりました、冷凍食品のうどんでも良いですか?」
「うん、冷食のうどんでお願い」
◆◆◆
会話が下手すぎる
おれたちの会話レベルは幼稚レベルまで下がった……いや、それ以下に下がったな
澪はおれの元気になったあれを見て、気まずくなったから話題を変えたんだろう
それもそうだろう、澪は純粋無垢という言葉を擬人化したような人間だもんね
絶対怖かっただろうな
「蒼君、できましたよ」
「はーい」
謝らないと
「澪」
「っ、はい!」
そんなに驚くかね
澪は急におれから喋りかけられたから、体がビクって反応した
面白かったけど、状況が状況
笑える気がしない
「おれのさ、まぁ……あれを——」
「すいません、見てしまいました」
知ってた
どう考えても見られてたもんな
「怖かった?」
「は、はぃ」
澪はおどおどしながら答えた
怖いだろうな、おれも女で初めて見たら怖いもん
あんな大きい棒に私は何されるかわかんないって思うもん
「言っとくけど、おれは澪の事を襲う気はない、だから安心して欲しい」
「……わかりました」
「話は以上です
「……一つ質問して良いですか?」
「良いよ」
澪はもじもじしながら、恥ずかしそうに聞いてきた
「蒼君が良ければ、その、良いですよ」
澪はおれに近づき、服の裾を掴みながら上目遣いで言ってきた。
耳を疑いたくなった。
「私の初めては、貴方に奪ってほしい、です」
ちょまて、おれに理性持ちこたえろまだ高校生だぞ、おれが澪の人生を狂わせたらどうする、取り返しのつかないことになって終わる以外のルートは無い
「……ごめん澪、それは無理」
「え…む、り?」
澪はその場で足の力が急に無くなってように地べたに崩れ落ちた。
「……な、なんで」
「ごめん、言葉が足りなかった、まだしない」
「まだ……?」
澪は小首を傾げて言った
おれだって男子高校生なんだ、好きな人と性行為をしていって思うに決まってんじゃん、これは言ったて普通のことでしょ
「おれも初めては澪としたい」
「はい」
「でも、まだおれらは高校生……言いたいことわかるよね?」
「……そうですね、私も冷静になればよかったです……」
あからさまに落ち込んじゃってるね
「大丈夫、おれは澪の隣を譲る気はないし、どっかに離れる気もない……気長にまとうや」
「ふぇ?……へへぇ」
おれは澪の頭を撫でながら言った。
澪は少しくすぐったいのか目瞑り可愛い声を上げていた。
まぁ、おれは澪以外の女に興味は多分わかないだろう、てか、澪以上の高スペック女子はそうそういないっしょ
「……約束ですよ蒼君」
「っ、ううん」
澪はさっきまでの可愛らしい、いつもの澪と違い今の澪は――ヤンデレの究極体
これって、澪以外の女子と性行為とかしたら殺されるんじゃね、それ以前に、二人っきりっている状況を作った瞬間その日が命日確定じゃね
おれは幼少期から既に、澪と結婚するエンドが神様から告げられていたんだろう
◆◆◆
どうしようどうしようどうしよう
やばいやばいやばいやばいやばい
落ち着いて落ち着いて落ち着いて
私はいつも通り蒼君の布団で添い寝をしていましたが……今日の出来事のせいで……
「澪、そんなに固くならなくていいよ。普通に寝ればって、まぁ、今日のは仕方なかったよ」
蒼君が横でそう言いました。布団越しに声が聞こえるだけで、鼓動が速くなるのを感じます。どうして彼はこんなに平然としていられるのでしょうか。
「そ、そんなことはありません…落ち着いています、はい…」
声が震えていないか心配になりながら返事をしましたが、自分の顔が熱くなっているのがわかります。暗い部屋の中でもきっと赤くなっているんだろうな、と思うとますます恥ずかしくなりました。
彼がすぐ隣にいるだけで、心が落ち着きません。布団の中で手をぎゅっと握りしめながら、なんとか気持ちを整えようとしました。
「澪、なんか緊張してる?」
蒼君が不意に問いかけてきました。その声は優しげで、でもどこか困っているようでもあります。
「そ、そんなことありません…蒼君が気にすることではないですよ」
精一杯取り繕ってみましたが、明らかに誤魔化せていないのは自分でもわかります。蒼君は少し沈黙した後、ふっと小さく笑った気配がしました。
「おれは別に襲ったりはしないし、澪が安心して寝られるように静かにしてるから」
その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた気がしました。でも、隣にいる蒼君の存在を意識しないようにするなんて無理です。だって、こんなに近いんですから。
「…ありがとうございます、蒼君」
布団の中で小さく呟きましたが、彼に聞こえたかどうかはわかりません。とにかく、この状況に慣れるしかないと思いながら、目を閉じました。
それでも、隣から聞こえる蒼君の静かな呼吸音が耳に届くたび、胸の高鳴りは止まりません。この夜、私は果たして眠れるのでしょうか…。
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