第14話 これが私達の翼 !!


「あれは……東の勇者の紋章!?」


「クソっ!! 貴様!なにをしたっ!!東の勇者は俺のはずだぞーーーーーっ!!」


「なんもしてないさ……! 彼女の思いが覚醒へ導いたんだ!!」


「この……!!クソッタレガァぁぁぁぁぁぁっ!!」


俺は咄嗟に身構える……!!


するとどこからともなく雷が落ちてきた!!


「ギャアアアアアアアアアッ!?」


この雷は……!!


「スフィン!!」


「へへっ!!遅れを取っちまったなぁ!!」


「この……クソガキどもがっ………グハァっ!?」


突然、氷柱が飛んできてやつを串刺しにする。


「私も……婚約者として負けられません……!」


「ユキ!!……よし!反撃開始だーーっ!!」


「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっ!!」」」


俺たちは奴の空気弾の弾幕を潜り抜け3人の武器を一斉に奴へ突き刺す!!


「グハアッ!? く、くそっ!!動けん!!」


「ツバサ!!」


「…………!!」


「や、やめろ!!私を殺せば!!風人族は滅びるぞーーーーっ!!」


「もう、風人族とかどうでもいいです……! 私は……!私です!!」


「やめろおおおおおおっ!!」


「いまだ!!」


「「「やれえええええええええええええええええっ!!」」」


「これが私達の翼ですっ!」


「奥義!! 魔空徹甲流星弾!!」


彼女が奥義を放つと周りの地面が抉れるほどの衝撃波がほど走る。


(だ、ダメだっ!!吸収しても魔力オーバーで自爆するだけだっ!!)


そして……ついに……!!


奴の胸を徹甲流星弾が貫く!


「ち、ちくしょおおおおおおおおおおおっ!!」


そしてやつは爆散した。


ツバサは倒れ込んだ後、天に向けてサムズアップするのだった……!!


「みんな……!仇は取ったよ……!!」


ーーーーーーー


奴に喰われた風人族の墓を一個ずつ建てた後、俺たちは合掌した。


「これで……風人族は私だけです……」


「ひとりぼっちです……」


ツバサは泣き出してしまう……


「そんなことないさ!!」


スフィンが突然叫ぶ。


「え?」


「君がひとりぼっちになるんだったら!!僕が君の居場所を作る!!」


「……!!」


「だから……!」


「もういいです……スフィン様」


「私、知ってます……スフィン様が私のために色々してくれたこと……」


「服を直してくれたり……ご飯を作ってくれたり……訓練メニューを調整してくれたり……」


するとツバサはスフィンにそっと口付けをする。


「スフィン様……好きです……!」


「…………!!」


「うぉぉぉおっ!!スフィーーン!!」


「え?なに?どういう状況!?」


気づいたらユキがサラに戻っていた……


「あっ、これは……」


するとサラはツバサへ一直線に向かった……


「ツバサちゃあああああああああん!!」


「よかったーーーーーっ! ちゃんと勇者になれたんだねーーーー!」


「ちょっとスフィン!!ちゃんとツバサちゃんを幸せにしなさいよ!」


「はいはい」


「あーっ!!軽く言ったーっ!ツバサちゃんに興味ないんだーーーっ!!」


「そ、そんなわけあるかっ! ちゃんと愛してるわ!!」


「嘘つき!! ばーかばーか!!」


「なんだとぉーーーっ!?」


「あははっ……」


『ツルギさん……聞こえますか?』


「誰だ?」


『私たちは4女神……この世界を想像した者……』


『今こうして3人の勇者が集まったことを光栄に思います……』


『しかし世界を蝕む闇は依然として強大になりつつあります……』


「そんな!」


『しかし、3人の勇者が揃えば怖いものはありません…我々も最大限の支援を行いますので、今は中央王国でゆっくり休むといいでしょう……』


『では……あなたたちをパーティ登録しておきました』


「えっ!?」


『世界の平和のために全力を尽くすのです……!』


「……はい!」


『では……あなたたちにゼウスの祝福が在らんことを……!』



翌日……


「スフィン様〜!あ〜ん」


「や、やめてくれ……恥ずかしいだろ?」


「もう恋人なんですからこんぐらい当たり前なのですっ!」


「ええ〜」


俺たちは2人の微笑ましい姿を遠くから見ていた。


「すっかりラブラブねぇ〜」


「本当だな」


「あんた……今日は剣を作んなくていいの?」


「今日はもういいかな? それよりみんなといる時間を楽しみたいぜ、俺は」


「全く……あんたはほんと気分屋ね」


「なんか悪いか?」


「いいえ?別に?そこに惚れたんだもの」


「ははっ……そっか」


「さーて!!そろそろ出発だな!!」


「次はどこへいくんだ?」


「ふっふっふっ!次は中央王国だーーっ!!」


「ほぉ〜この大陸の中心地に行くのか」


「いいわね!!面白そう!!」


「それじゃあ早速!しゅっぱーつ!!」


「「「「おーっ!!」」」


こうして俺達の四地方を巡る旅が終わりツルギ一行は中央王国へ……

このあと彼らは自分たちのパーティで自由気ままな生活を送るのだった!!


ーーーー


『人間……か』


「邪神様……どうされましたか?」


『ふん……そろそろ行動に移すぞ、さっさと準備をしろ』


「わかりました……!邪神様……!!」


『あのツルギという奴……使えそうだな』


『ふっふっふっ……あーっはっはっはっ!!』


『さぁ……時は満ちた!始めようではないか!! この世界に死の恐怖を味わせてやろう!!』


『はーっはっはっはっ!!あーっはっはっはっ!!』


次回…… 新章の始まり!! ツルギの異変!!

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