第11話  新開発!エアーマグナムソード!

あの後、俺は3日間ひたすら新しい風伝説の剣を作り続けていた。


「なかなかいいアイデアが浮かばんなぁ………」


俺はああ言ったものの、アイデアが浮かばずにいた。


「これでもない……あれでもない……」


風神剣エヴロスと同じ素材は既に集まってるというのに……どうしたことか……


その時おれはふとツバサちゃんが言ってた伝承を思い出す……


「風の矢……嵐の双剣……」


 そういえばこの二つは別物なのか…………

ちょっと待てよ? エヴロスに使った空力の技術を使えば………風の矢と嵐の双剣を同時に再現できるのでは?


 ふと、なんの実績もないアイデアが突然浮かぶ。


 俺がやろうとしてるのは空気と魔力を練り込んだ弾を発射する弓と、空力を利用して相手をズタズタにする双剣をガッちゃんこした"新種の武器"を作ろうとしているのだ。


(ただ新種の武器となると……制作にも、彼女が慣れるのにかなり時間がかかる……)


それでも俺は覚悟を決めてプロトタイプを作り上げることにした。


翌日の朝


「ダァぁぁぁっ!!やっとできたぁぁぁぁぁぁ!!」


俺は大声で叫ぶ。


「朝からうるっさいわね!!なによ!!」


「ツルギ……同じ空間で寝てるんだからもう少し配慮を……」


「あれ?なんですかこれ?」


「あ、本当だ」


そこには珍しい形をした双剣があった。


「こいつこそ………エアーマグナムソードだぁ………」


バタッと俺は過労気味でぶっ倒れてしまう。


「ツルギ様ぁ!?」


「ツルギ……!お前はいい奴だったよ……!」


「おい勝手に殺すなや」


「本当……なんも感じないけど」


「お前本当に俺が初恋の相手なのか?」


「失礼ね!!ちゃんと覚えてるんだからね!!」


「あっそう」


「それで……この剣はどういう奴なんだ?」


「ああ、これはな」


とりあえず自分が編み出したアイデアをみんなに伝える。


「これまたすごいもん作り出したなおい……」


「でも、まだ不完全なんでしょ? 可愛くてキュートなツバサちゃんに使わせるなんて危険すぎない?」


「お前の言ってる意味がわからんが確かに危険な実験だ」


「………」


「いやよ!こんなかわゆい女の子を戦場に駆り出すなんて! お母さん許しません!!」


「いつお前はお母さんになった」


「サラお姉様……!」


「お姉様!?」


「なぁに? ツバサちゃ〜ん」


「私にやらせてください……!皆さんの役に立ちたいです……!!」


「ズッキューーーーン!!」


またサラの性癖が刺激される。

ツバサと出会ってからいろいろおかしくなってるような……


「ツバサちゃんが……そうしたいなら……ツルギ!! 絶対無理させないでよね!!」


「お、おう」


俺はさらに困惑する。

サラってもしかして年下好きなのか?


「ツルギーー!言われた通りに訓練所作ったぞー!」


「おっ!!もうできたのか!」


「訓練所?」


「ふっふっふ!!見て腰抜かすなよ!!」


俺が彼女達を案内すると……


「わぁ……! すごいです……!」


そこは試し打ちの的と、足場が複数ある訓練所だった。


そう、俺は素材を探す際に風が常に吹く空洞を見つけたのでここをツバサちゃんの訓練所にすることにした。


「風もちょうどいいです……!これなら飛べそう!!」


「よぉーし!早速訓練開始だ」


「監督は風人族との親交が深いスフィンに任せる」


シャキーンとスフィンがサムズアップする。


「ちょっと!!なんで私じゃないの!?」


「お前なんか危ないことしそうだから」


「いやよ!! お母さん見てられないわ!!」


「だからお前はいつお母さんになったんだよ」


そんなこんなで、まず使い方を教える。


「この双剣を連結させると……マグナムモードだ」


ツバサちゃんが双剣を合体させる。


すると刃が変形し弓みたいな形状になった。


「あとは周囲の空気を感じ取って魔力を練り込んむんだ」


「はいっ……!」


ツバサちゃんは目を閉じて集中する……


「スゥーーッ」


息をたっぷり吸うとエアーマグナムに空魔弾が生成される。


「よし……成功だ……! あとは狙いを定めて撃ってみて……!」


「………」


彼女は狙いを定めたのか目を開ける


「そこっ!!」


すると魔弾が発射される!!


「きゃああっ!?」


しかし反動が強烈すぎてツバサちゃんは後ろの岩へ叩きつけられてしまう!!


「ツバサちゃん!!」


「いてて………」


「大丈夫か?」


「大丈夫です……やれます!!」


そう言って彼女は特訓を続ける。


しかし4発ぐらい撃ったところで彼女はヘトヘトになってしまった。


「はぁ……はぁ……」


「うーん……反動が強すぎるか……」


「きっと私の筋力不足です……」


彼女はショボンとしてしまう。


「なぁ、ツルギ」


「なんだ?」


「お前って刀鍛冶だろ?どうやって筋肉を鍛えたんだ?」


「それはアグニの鍛冶場で………あっ!!」


「ツバサ!!確か風人族って転送魔法使えたよな?」


「は、はい」


「アグニ火山に行けるか?」


「行けなくはないですが……行ったことないのでだいぶ曖昧です」


「アグニ火山の地形はだいたい把握してるからそこは心配しないで」


「わかりました……!やってみます!」


彼女が呪文を唱える……


「見つけました……!行けます!!」


「よし!それじゃあ行ってくる!」


「いってらっしゃい!!気をつけて!!」


そして俺たちはアグニ火山へ転送される。


次回 いざ魔風龍討伐へ……

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