第6話 北の国ブリザーガー帝国
新しく一緒に旅することになったスフィンと一緒に俺たちは北の地方へ来ていた。
ブリザーガー地方。
防寒対策をしても体が凍りつくほど寒い地域で一年を通して吹雪が吹いており、視界も悪い。
おまけに山が多い地域なので足を踏み外したら死は確定である。
この地方に来るときは基本的に凍結対策の魔法をかけないといけない
現地の住民たちも街に結界を張って吹雪や寒さを防いでいる。
「ぶえっくしゅん!!!」
スフィンが寒そうに体を震わせる。
「なんだこの寒さは……!!異常だ!」
「まぁスフィンの国と環境が真反対だからな、そりゃそうだ」
正直俺も寒い。耐寒ポーションを飲んだにも関わらずここまで寒いとは想定外だったがもうすぐでブリザーガー帝国。
あったかい宿でやっと寝ることができる。
頑張って寒い中歩いていると地面に氷柱が刺さっていることに気づいた。
(なんだ?こんなところに氷柱が?)
刺さり方があまりにもおかしかった。斜めに地面へ刺さっている。
まるで誰かに向けて飛んできたような……
誰かに向けて……?
俺はまさかと思い後ろを振り向く。
案の定氷柱が浮いていた……!狙いは……スフィンだ!!
「スフィン!!」
俺はアーマーブレイカーで氷柱を切り落とす。
「ツルギ!?どうした!?」
どうやら氷の魔法使いかなんかの縄張りに入ってしまったらしい。
あらゆる方向から氷柱が飛んでくる。
「なんだこれ!?」
「魔法で生成した氷柱だ……!刺さったらひとたまりもないぞ!!」
俺たちは飛んでくる氷柱を一個一個切り落とす。
「くそっ!! 切っても切っても出てきやがる!!」
どっかに魔法を使う奴がいるはず!! 俺は必死になって探す。
すると吹雪の中で一瞬だけ人影が見えた。
「誰だ!!そこにいるだろ!!」
謎の人影はこちらへ向かってきていきなり襲いかかってくる!!
俺はアーマーブレイカーを咄嗟に取りだし剣によるの攻撃を防ぐ!
ガキィィン!!と重たい金属音が鳴り響き俺は攻撃の重さに少しのけぞってしまう。
それでも折れないアーマーブレイカーはさすがアグニウムといったところだ。
だが華麗な連続攻撃には流石に勝てずアーマーブレイカーを吹き飛ばされてしまう!
「しまった!!」
アーマーブレイカーはそのまま地面へ突き刺さってしまった。
今、アーマーブレイカーを取りに行けば確実に切られる……!!
しょうがないので俺は剣を受け流す、剣捌きをすることにした。
「…………」
ヤツの剣の連撃は確かに圧倒的だが動きが大きい……そこをついて俺は的確に剣を受け流す。
「……!」
敵は少し驚いている様子だった。
よほど自分の剣技に自信があったんだろう……それでも俺はスレスレで避けたり受け流したりする。
「………!!」
相手は疲れ始めたのか剣の振りが適当になってくる。
俺はその姿に少しイラッときたので隙をついて首に手刀を打ち込む。
ガッ……!!
「あがっ………!」
敵はそのまま倒れ込む。
「剣の振りが適当だ!!もっと体力をつけろ!!」
「見たところ体重を乗せた一撃が得意みたいだな、片手剣は不向きだ!」
「………!!」
「大剣やハンマーを使うといい、君の戦闘スタイルにピッタリなはずだ」
俺は無我夢中で相手にアドバイスしていた。剣の扱いが適当だからって何やってるんだ……
「おーい!!ツルギ!!」
スフィンがこっちにくる。
俺は合流しようとするがさっきのやつが立ち上がりナイフを俺に刺そうとしてくる
「………!!」
「うおおっ!」
「ツルギ!!」
「くそっ!! 諦めが悪いな!!」
ナイフをスレスレに避けるが崖まで追い詰められてしまう。
そしてそいつは俺をつかみ崖へ突き落とそうとする。
「危ないって!!やめなさい!」
「聞く気なしかよ………!!」
俺は必死に抵抗すると偶然胸を掴んでしまう
「きゃぁあっ!」
一瞬だけ柔らかい感覚があり、敵から甘い声が漏れる。
「き、きゃあ?」
パーカーとゴーグルが外れ顔が見える……よく見るとその顔は女の子に近かった。
「お、女の子!?」
「ッ〜ーーー〜////」
あれ?もしかして俺まずいことした?
「エッチぃ!!」
「グハァッ!?」
バシン!!とビンタされ大きく吹き飛ばされてしまう。
「ひ、姫である私になんて破廉恥な!!」
「姫ぇ!?」
「ツルギー!!大丈夫かーー! ………え?」
そこにはビンタされて倒れ込むツルギと恥ずかしそうに胸を押さえる女の子だった。
「え? 何この状況? 修羅場?」
「「違うわ!!」」
そんなツッコミをしているとゴゴゴゴゴ……と地面が揺れる。
「な、なんだ?」
何かがおかしい……そんなことを考えていると突然地面が崩れてしまう!!
どうやらさっきの戦闘の衝撃で崖が限界を迎えていたらしい。
俺たちはそのままおっこちてしまう。
「うわああああっ!?」
「きゃあああああっ!?」
「ツルギーーーー!!あと知らない誰かーーーー!!」
スフィンがだんだん見えなくなる。
俺はこの先どうなるんだ!?
次回 あんたなんて大っ嫌い!!
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