第18話
そんな修行を経て二日目の夜になった。なお結局リキは綺麗な氷を出せないので今まで通りの能力を使用して戦うという流れに収束した。
予定の三十分前に俺はガンプの謎未来家電の前に椅子を持っていく。そう、今日は未来との通信により、給料が発表される日なのだ。
「いやー、どうでるかな。」
無職ながらの久々の給料日だ。仕事をしていた頃は給料明細なんて見たのは最初だけで、続く激務からどうせ使う暇のない金なんだからと投げ捨てて久しい。
だが今回は自分のやっている行動がそのまま評価されるのだ。自身が命を賭けて行った努力が評価されるという手前、なかなかその額が楽しみである。
[それではHQに接続します。]
「お、おう!」
俺は一応だがくたびれたワイシャツを上に着る。ただ下はめんどくさいので部屋着のままだ。椅子に座りしばらくして謎家電の上に半透明の画面が映った。やっぱここら辺の未来技術感すごいぜ!
「ガンプレート!無事か?」
通信先は見た事ある青年が。これ初日の時に助けてくれた人だな。
[はい、マスター。任務は無事続行できております。]
「ど、どうも。」
この時なぜか俺は会社の面接を思い出した。変な緊張の元、社会人として結構駄目な挨拶をしてしまう。
「ああ、あなたも無事でよかった。申し訳ないが、超時間通信はエネルギー消費が高い。詳細をここで全部送付させてもらう。それでは!」
そう言うと映像はぷつんと切れて、空中に浮かぶ画面も消えてしまった。
「…え?終わり?」
[はい、以上になります。それでは明細を表示します。]
なんか色々肩透かしに終わったが、また再度画面が出る。ガンプの言葉通りならこれが明細なのだろう。しかし映ったそこには50点とだけ書かれていた。
「…?なに、何?」
[今回の成果点ですね、打ち分けは調査点30点、モンスターの破壊情報の送信15点、動画による広報5点といった内容になります。]
ええ?ううーん、多いのか少ないのかわからん。というか給与明細という事でお金のイメージがあったが、考えてみたら未来だと通貨が違う可能性も考えるとこうなるのか?
[そしてこの評価点を使用し、報酬を選べます。]
「はあ…。」
50点の画面を指でなぞり下にスクロールすると、見知らぬ文字とその横に数字が。数字は5だったり200だったりするが、それ以上に文字が読めない。
「ええと、これは?」
[ああ、こちらの言語の頭音順ですね、申し訳ありません、ソートと翻訳を行います。]
なんか思っていた内容とすべからく違うもんだから何に喜べばいいのかわからない。
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