優等生はつらいよ
鷹司
第1話 対人関係がつらい
世の中、できるやつばかりだなんて言う話を聞くけど、社会の縮図であるはずの学校では、また別と言えるかもしれない。
クラスのある人間が言う。
「うわー、数学全然わかんねー」
授業中ずっと喋ってるからだろバカ。わかんないなら勉強しろよ。授業の邪魔すんなよ。
「よし、もっと説教長引かせて授業時間減らせ!」
お前勉強しに来てるんだろ?少なくとも自分は勉強しに来てるので授業時間減らされると困るんですけど?
「あの子距離取られてる。まあ仕方ないよねー」
なんだよその悪意。怖。まあ確かにあんまり感じのいい子じゃないけどさ。無視するかね?むしろあんたらのほうが近づきたくない。
「それってあなたの感想ですよね?」
聞いてるこっちがイライラするんですけど。小学生かよ。大人になれよ。そんなんだから成績上がらねえんだよ。
と、まあこんなふうに、日々溜まっていくストレスはかなりのものである。
反論できるけれどもいちいち反論したら面倒だし、理屈の通じない人間とやりあっても仕方がない。
それに、関係を悪くしたら後々良くないことになる。
自分を含む優等生にとっての学校というのは、勉強する場所であり、忍耐を始めとしたコミュニケーションスキルを磨くための場所である。
忍耐云々はいいとしても、なるほどこれはまさに学校の存在意義そのもの!
だがしかし、ストレスが貯まるものは貯まる。
何度か大人にこういう質問をしたことがある。
「いい高校に行くメリットは何か」
相手は、両親(自分の志望校に通っていた)や、塾講師(勉強できると思う)である。
その回答は、ほぼほぼこれだった。
「「「周りの人間がいい」」」
いい高校に行った先人達は、異口同音にそう言う。
周りの人間がいい。というのは、詳しく聞いてみると、どうやらこういうことのようだ。
まず、よく何かの漫画で見る(?)ような、高収入の相手がいるから、とか、そういう意味ではないらしい。
収入は関係なく、要は話が合う人、趣味が合う人が多いということだ。
もちろんそれは男女の出会いにつながるという点もそうなのだろうが、その言葉を受けて自分でも考えてみた結果、それは友達関係に置いても同じことなのだろう。
現状、優等生である自分と、まあそれなりにやっている人間が集まっている、義務教育課程の中学校というのは、人種のるつぼのような状況だ。
そんな空間で、我々優等生は特に親しい、大切な友達というものを数人持っているものである。少なくとも自分はそうだ。
つまり、クラスに数十人いる中で、本当に気が合うのはほんの二、三人。ひどいときではたった一人だったりもする。
それ以外の人間とは、話しかけられるから応じる、クラスでの立ち位置的に(仲悪くなったら怖いので)愛想良く話す、業務連絡以外話さない、のどれかだ。
まあつまるところ、友人というものに恵まれているとは言い難いだろう。
もちろん、パッと見た印象だけでその人物と親しくなるかは分からない。時間が経ってみて、あ、この人とは結構価値観合うかも、とか、いい人だな、とか、そういうのは結構ある。
でもそう、大切なのはまず価値観だ。
授業中に友達と喋ってるやつ、論外。
他人の悪口を言うやつ、論外。
その他、応相談。
とまあ、こんな感じだ。でもこれは、別に優等生だからというわけではないのかもしれない。まあ気が合う人間など、そう多くはないんだろう。
でも、やっぱり自分達の青春を、少ない学生時代を光り輝くものにするためには、なるほど大人たちのいうように、「周りの人間がいい」高校に行くべきだろう。
そう、そのためにはやはり勉強を頑張らなくてはならない。
そしてその邪魔をするやつがいる。それが、冒頭に出てきたセリフを言う奴らなのである。
ああ、あとそれから、先生も外れるとひどいことになる。
なんだこの問題は。これで点数落とされて内申下がったらどうするんだよ。
話に矛盾点が多すぎる!本当に知識あるのか?
注意しろよ!うるさくて話が聞こえない!
もうそれわかったから次行こうよ暇だよ!
と、いうわけで次回第二話、「先生からの扱いがつらい」(仮)。
乞うご期待!
優等生はつらいよ 鷹司 @takatukasa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。優等生はつらいよの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます