エシュタル物語 逆巻く炎
光星風条
プロローグ
──次の議題は十一時三十六分に押収された手記について著者の思想が危険思想に該当するか及びその処遇についてです。
──当手記からは自由への切望と支配への嫌悪が随所に見られます。現社会秩序に対する不満も多く綴られています。
──幼少期に追放者との接触あり。友好的な関係であったと記録に残されている。
──直近の行動からも精神異常の兆候がいくつか見受けられます。
──当手記の著者は危険思想を有していると判断します。
──反対意見はありますか。
──ないようですね。続いての争点は処遇についてです。秩序を保つためにも追放すべきと考えます。
──危険思想を文章という形に残してしまっている以上追放は免れないでしょう。
──当手記が善良な市民の目に留まれば危険思想が伝播していた可能性がある。即刻追放するべきだ。
──追放を求刑します。
──彼にとってこの世界で生きることは苦痛を伴う。追放を望みます。
──全会一致で処分は追放となりました。次の議題は……。
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